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氷の解けた日
【SF 官能小説】

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ロータス・ハウス-1

 私は、いつも自分の穴に戻るとき苦労する。
何故なら私達にあてがわれた都営アパートはロータス・ハウスと言って、文字通りレンコンの穴のように無数の穴が壁に開いている穴倉なのだ。
どの穴も同じに見えるから、さっぱり分からない。

 大体見当をつけて、自分がつけた目印をみつけるまでに10分くらいかかる。
インプラントしている人間は位置測定機能があるので、すぐに行けるのだが。

 それにロープリフトというのが厄介だ。
腰のベルトの金具のリングにロープの先のフックを引っ掛けて、手元のスィッチで上ったり下ったりする、個人用のエレベーターみたいなものだ。
まるでターザン映画みたいだが、これができないと運動不足と判定されて、強制的な運動施設に送られるそうだ。


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