Invasion Ⅰ-6
「嘘じゃないよ。ホラ、もう血が流れて愛液がだらだら流れてるよ」
小馬鹿にしたような笑い声を、わざと上げてやる。少女の心が崩れていく音が聞こえてくるようであった。
気の強い少女の動揺を心の底で大笑いしながら、ラスプーチンは肉棒を秘部から抜けきる限界まで引き抜き、そして叩きつけた。乱暴な責めだが、少女は体を踊らせて反応した。
「ヒッ……あ……んはぁ……」
だが、声を上げることは無い。彼女が最後に縋るのが、声を上げないという制約なのだろう。だが、それが何になるのだろうか？ ラスプーチンは自身の肉棒に更に血液が集中していくのを感じる。
「……最後のトドメを刺してあげるよ」
「と……どめ……？」
嘘のように優しい声色で、悪魔は語りかける。少女の猫っ毛を撫でると、エステルと目が合う。彼女の眼には、一筋の涙が滲んでいた。大きめの眼に滲む涙は、例えようもなく美しい。その美しいものを握りつぶして無残に破壊したい欲求に、今このラスプーチンという男は晒されていた。
その欲望に打ち勝ち、代わりに少女の膣へ肉棒を突き立てる。先端から、根本まで。深く広く、抉るような抽送だ。最初にやられた乱暴な抽送に比べれば随分優しそうに見える抽送ではあるが、エステルは別の感情を抱いた。
（壊されて……る。私……おかされ……てる）
獲物を仕留め、いざ捕食する段階になって、焦って嚥下する捕食者がいようか。無残に咀嚼されるだけの獲物は、捕食者の歯に砕かれ、喉に流し込まれるのを待つしか無い。
エステルを貫くそれは、まさに彼女を捕食する勝者であった。
「んぐっ……はあぁ……ふ……」
エステルは今や確実に快楽を覚え、苦痛は小さくなっていた。男を知らぬ、雌に成り立ての少女は、男に快楽を、セックスを覚えこまされているのだ。だがそれだけでは、エステルの最後の砦を攻略するには至らない。だからこそ、男は手を伸ばし、『トドメ』を刺したのだ。
「ひあっ！ ……え……なに……これぇ……」
男の指は、少女の秘部の上、小さな突起を優しく刺激している。
「ガッ――ひうっ……ぐぅ……」
陰核への刺激は、薬との相乗効果で劇的な影響をエステルに及ぼしている。声を必死に押し殺し、快楽の防風に耐えてのたうちまわる様は、劇物を摂取しもがき苦しむ様子と似ている。
ラスプーチンの指は狡猾に女体の弱点を責める。皮をかぶったまま、上からほとんど触るか触らない程度の強さで、だが確かにそこを擦る。強すぎる刺激を与えては逆効果と熟知している手つきであった。少女は陰核を的確に責められ、体と精神の限界を超えるであろう刺激から逃れようと藻掻く。だが、ラスプーチンはそれを逃さない。再びエステルの頭を強く押さえつけると、それだけで少女のか弱い抵抗は封じられてしまう。
そして、トドメが刺される。
「――！！ うあ……動か……ないでぇ……」
陰核を刺激する間、動きを止めていたラスプーチンの腰が再び抽送を開始したのだ。後背位から抽送をしつつ、陰核を刺激する男の器用な動きは、的確に少女の体を貶めていく。エステルも、陰核と膣内への同時責めが、彼女に決定的な敗北を与えると直感していたのだろう。初めて懇願するような言葉を零した。だが、男が容赦することは無い。少女は露出した弱点を良いように嬲られ、自らは貫かれる。
肉棒は少女の膣内を蹂躙し、雁首が壁を抉る度、甘い刺激を生み出す。男の指は陰核を白陶の名品を愛でるが如き手付きで愛で、その指使いに少女の体には膨大な量の快楽が蓄積されていく。
歯を噛み締めて耐える少女の口から漏れる快楽の吐息の量が増えていく。
「ふっ……ぐ……はぁあ……うう……」
吐息が漏れていることを、少女も自覚していた。だが、どうすることもできない。確実に少女の体は絶頂へと近づき、一歩そこに近づく度に、体の制御は少女の手から離れていくのだ。
ラスプーチンが押さえつけ、陵辱する少女の目付きは、決定的な敗北を目前にして焦燥感と絶望感に彩られている。電撃と化した快楽によって生み出された涙が滲むその姿は、たまらなく美しい。その様を最高の席から鑑賞するラスプーチンは、自らの欲望が怒張から解き放たれる時が近いと感じていた。男はその欲望に抗うことはない。自らの欲望の赴くまま、それまで緩やかなペースで前後を繰り返していた腰を、一転激しい動きに変える。
男の乱暴な欲望に晒された少女は、だが最早抵抗も痛みを訴える動きもしない。新たに生まれた快楽の波に飲み込まれ、瞳に絶望の色を深く刻み込んでいくだけだった。