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あるゲームセンターの風景
【OL/お姉さん 官能小説】

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あるゲームセンターの風景-9

「アベさんも、そんな悔しそうな顔をされるんですね」
「どうして、ここに」

 カオルは、俺に喜びとも怒りともつかないような顔を向け、何故か黙ってコインを入れた。
 俺に続けろ、と言うのか。
 この台の向こうの相手は、名うての猛者で、全国レベルの大会でも上位に進出している。 
 まともにやって太刀打ち出来る相手では無かった。それでも、ゲームは始まった。

 開幕は両者動かない。様子見をしてると、相手から攻めてきた。
 隙のない細かい技を使い、牽制してくる。
 俺がその対応を誤ると、そこだとばかりに攻められた。コンマ1秒の隙に確実にダメージを与えてくる。
 この相手は本当に人間なのか。人間の心を持ったコンピューター、例えるならそういう動きである。
 普通にやっていても、ジリ貧だ。いっそそれなら――――

 俺は少し相手との間をとるや、大技を放った。
 大技をいきなり出すのは、かわされた時の隙が大きく、通常はご法度の行為である。
 だが、当たった。
 相手が一流だからこそ、セオリー外の攻めにハマったのだ。何だコイツは。声は聞こえないが、相手キャラの動きで相手の心の声が聞こえた。攻撃が少し止まる。よし、この間に俺のペースに――――


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