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あるゲームセンターの風景
【OL/お姉さん 官能小説】

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あるゲームセンターの風景-3

 夜9時。俺はいつも通り、スーツ姿のまま店に来ていた。
 そして、昨日の彼女もまた姿が見えた。やはり、黒のスーツを着ている。
 昨日はよく見なかったが、なかなかグラマーな体型をしている。それも、変ないやらしさはなく、若々しい健全な感じだった。髪はロングで肩下まで、すっと黒髪を伸ばしている。年齢などはわからないが、たぶん俺よりは下だろう。

 彼女は一見ゲーセンなどには、全く縁がなさそうな理知的なOLに見えるが、それでなかなかの実力のゲーマーなのだから、何か可笑しかった。
 今は他のプレイヤーの観戦をしていたようだ。
 だが、俺がゲームを始めると、すぐに乱入してきた。その理由は、すぐに分かった。
 俺の使うキャラクターの研究を、どうやらしてきていたのである。
 彼女は是が非でも俺に勝ちたいらしいが、少し研究された程度で逆転される程、俺はヌルいプレイヤーではないのだ。なんせ、10年近くやっているのだから。
 それに、やはり彼女の動きは直情的すぎた。読みやすいのである。
 いくらか危ない所もあったが、俺は昨日に引き続き、彼女に連勝した。
 しばらくすると、彼女はあきらめたのか、乱入してこなくなった。
 そして、背後に気配を感じたかと思えば、次の瞬間その彼女は、俺の隣の座席に座っていた。

「どうも。このゲーム、お強いんですね?」
「あ、どうも。このゲームばかりやってますからね、あなたもなかなかですよ」
「なかなか、ですか。わたし、全然勝てませんでした」
「自分の動きたいように動いてるだけじゃ、勝てませんよ。相手の動きを読まなきゃ」
「相手の動きですか……どうやって読むんですか?」
「対戦してれば、相手のクセとか性格がなんとなく分かりますから予測できるようになります」
「はぁ……わたしも、性格が読まれてたんですか?」
「うーん……なんとなくですけどね」
「どんなふうに?」
「正直というか……まっすぐに向かってくる、そんな感じです」
「バカ正直という事なんですかね……?」
「え、いや、そこまでは……」
「ふふ、じゃあ、そろそろわたし帰りますね、また対戦よろしくお願いします」
「ええ、また」

 そうして、俺はしばしば彼女と店で顔を合わせては、対戦を重ね、他愛のない話もするようになっていった。だが、彼女の名も何も、俺は知らない。彼女も、同様だ。
 そんな日が、一月ほど続いただろうか――――


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