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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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双星の魔女の困惑-11

「いや……キモい」

「悪かったわねっ!!」

ゴンッ

 いきなり頭の上に花瓶が降ってきてアースはガクンと首を落とす。

「人ん家の庭でコソコソしてんじゃないわよっ」

 すっかりいつも通りのリンを、アースは頭を擦りながら軽く睨んだ。

「はいはい。俺らはエンとこ行くからごゆっくりどうぞっと……グロウ、避妊だけは……」

バコッ

 余計な事を言おうとしたアースに、今度はリンの拳が飛んでくる。

「心配ご無用。子供なんか出来ないわよ」

 リンのセリフに3人は怪訝な表情になった。

「卵巣が無いのよ……生まれつきね」

『「はい?」』

「アタシが子供欲しいなんて酔っ払って言ったみたいだけど……ただの無い物ねだりよ」

 グロウとアースは思わず顔を見合わせる。

「だから避妊してなかっただけ。だいたいアースの子供なんて欲しくないし」

 だとしたらグロウの苦悩の日々は何だったのか……キャラはグロウが可哀想になり憐憫の眼差しを送った。

「ベルリアのとこに可愛い赤ちゃんが産まれるのを楽しみにしてるわ♪ベルリア似だったらアタシ似だもの♪」

 リンは笑いながらグロウの腕に抱きつき、幸せそうに彼を見上げる。
 まるで恋人のような仕草にグロウは照れくさそうに顔を赤くした。
 1度自覚したらリンに戸惑いや遠慮は無い……これからはリンが主導権を握るのだろう。

「んならドバドバ中出し……」

ゲシッ

 今度はキャラから蹴りが飛んできて、アースはしゃがんで蹴られた脛を擦った。

「じゃあ、邪魔者は消えますね。おやすみなさい」

 キャラはにこやかな笑みを湛えたまま、アースの襟首を掴んでズリズリと引っ張って夜道に消えていく。

『んじゃ、この間の続き……ヤルか?』

「ふふ♪楽しみ♪でも、お風呂入ってからね」

 街外れの飲み屋から走ってきたので汗だく、とリンはグロウの頬にキスしてからバスルームへ向かった。


 鼻唄まじりで湯船にお湯を張りつつシャワーを浴びていると、予想通りドアの開く音がする。

「もう、せっかち……ね……」

 しかし、振り向いた所にグロウはおらず、視線を下げるとそっちに居た……にゃんこのグロウが。


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