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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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双星の魔導師と巫女-3

「良い眺めだね、キャラ」

 ベルリアはニコニコしてキアルリアを愛称で呼ぶ。

「うっわっ!居るなら居るって言って下さいよ!」

 キアルリア……キャラは慌てて布団に潜り込み、その動きでアースも浅い眠りから覚めた。

「あ〜…おはよう……キアルリア……と、ミヤと親父……」

 手を伸ばしてキャラを抱き寄せようとしたアースの手が、寝室に居るミヤとベルリアを見てピタリと止まり、行き場を無くしてにぎにぎする。

「お2人共、服は着なくて結構ですわ。そのまま診察いたしましょう」

 ため息をついたミヤはベットに腰かけてキャラの体を隅々までチェックし始めた。

「……親父は出てけ」

 いつまでもキャラの裸体を眺めているベルリアを、アースはせめてズボンだけでも履こう、とごそごそしながら眼光鋭く睨み付ける。

「う〜ん……残念」

 睨まれたベルリアは素直に寝室から出ていった。

「はい。姫様、診察終わりですわ。傷も大した事無いです」

 擦り傷、切り傷、打ち身に捻挫と、怪我のオンパレードだが全部軽いものだし、熱も下がっている。

「ありがとう。あ〜…髪どうにかしなきゃ……」

 戦いの中ザックリ切られてそのままだった。
 葬式はベールで隠れるから、と後回しにしていたがいい加減見苦しい。

「親父に切ってもらえ。美容師資格持ってるから」

「えっそうなの?」

「わたくし達は長生きですから」

 時間は有り余る程ある。
 どうせ城のお抱え美容師はまだ帰ってきてないしそうしてもらおうかな、とキャラは服を着るとベルリアの待つ部屋へ行った。
 キャラを見送るアースの右横に座ったミヤは、傷口が開いた肩を重点的に診察する。

「無茶しましたわね……」

 1度千切れた腕で2人の人間を支えたら、そりゃ裂ける。

「無茶なのはお宅の姫だっつうの」

 アースは右肩にチリッと走る痛みに顔をしかめて言い返した。

「それは申し訳ないですわ」

 全然謝ってない言い方のミヤにアースは苦笑する。

 その頃、ベルリアはキャラを鏡台の前に座らせて髪を弄っていた。

「あんまり短くするとドレス着た時におかしいしねえ……でも、後ろは短くなっちゃうなあ……」

 独り言を言うベルリアを鏡越しに見ていたキャラは、ずっと気になっていた事を聞く。

「ベルリアさんとミヤって……どうやって逢ったんですか?」

「興味あるかい?」

「ええ」

 素直に返事をするキャラにベルリアはくすくす笑いながら話始めた。

「30年ぐらい前になるかなぁ……ミヤがゼビアの魔法学校に来たのは……」


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