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凶眼
【制服 官能小説】

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〜第4章〜 土曜日 魔鈴-4

 もう美人を見ても驚きはしないが、その女もまた、街ですれ違えば振り返る程の美貌を備えていた。グラスを二つ載せたトレイを抱え、黒髪の美女は僕と占い師の前に冷たい飲み物を並べる。
 高級クラブにもウェイトレスはいるだろう。問題なのは、彼女が僅かばかり秘部を隠した下着だけで、あとは一糸まとわぬ姿で出てきたということだ。
 そう訓練されてるのか、僕の前にグラスを置くときは裸の胸を目の前で揺らし、占い師の前にグラスを置くときは、雄大なヒップを向けてくる。
 配膳を終えた彼女は、トレイで身体を隠すことなく、占い師の側で佇む。その様子に恥ずかしさや躊躇はない。
 「まさか‥」
 僕はそういう女性に見覚えがあった。
 「そうよ、この娘も凶眼の虜なのよ」
 僕の手元にも凶眼がある。すると凶眼は一つではないのか、僕の他にも凶眼を使う者がいるのか?
 様々な疑問がよぎるが、聞きたいことは一つだった。呻くように口を開く。全く、一度に年をとった気分だ。
 「茶番はもうたくさんだ。僕が凶眼に選ばれるにはどうすればいいんだ?」
 「うふふ、焦らないで。心配しなくても今日はそのために来てもらったのよ」
 僕の焦燥をよそに、彼女は笑顔を崩さない。優雅な手つきでグラスを持つと、飲むよう勧めてくる。
 一体彼女はからかっているのか。裸に近い美女で興奮させたかと思えば、今度は落ち着くよう諭してくる。乱暴にグラスを飲み干し、ソファに座り直す。結局のところ、主導権は彼女にあるのだ。
 だが、焦る姿に満足したのか、ようやく彼女は本題を切りだした。
 「これから貴方には試練に挑戦してもらうわ」
 試練?
 「と言っても、別に痛いことをするわけじゃないわ。女の子と戦うの。もちろんベッドで」
 「それのどこが試練なんだ?」
 「ふふっ、それはね、貴方は出しちゃ駄目なの」
 「?」
 「つまり、女の子を貴方のテクでいかせるだけで、貴方は出しちゃ駄目なの」
 「‥あ〜、なるほど」
 「ちなみに相手は3人よ」
 「‥‥!」
 なるほど、それは確かに試練だ。要するに、相手が誰だか知らないが、3人の女を射精せずにいかせろってことか。
 「望むところだが一つ聞かせてくれ。それが凶眼に選ばれることなのか?」
 ここまで来て冗談もなかろうが、何やら試練の内容が胡散臭い。後で続きがあるとか言われては堪らない。


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