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凶眼
【制服 官能小説】

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〜第1章〜 水曜日 レアン-5

 いったん教室に戻るべくグラウンドの側へ出ると、突如軽快な音楽とともに元気そうな女の子達の声が響いてくる。
 「go!go!ルーデンス♪VICTORY!!」
 グラウンドでは、赤と白を基調としたユニフォームのチアリーダー達が、全体練習をしているところだった。
 そう言えば、興味がないので忘れていたが、再来週にはバスケの地区予選が始まるはずだ。
 バスケはフットボールと人気を二部する国民的スポーツで、プロチーム「スカイエンジェルス」を有するアシェルシティでは、とりわけバスケの人気が高い。
我がルーデンス学園は、去年の地区予選決勝で優勝候補筆頭フォートニス高校と接戦の末敗れ、全国大会進出という初の栄誉を逃している。
 故に雪辱に燃える本年度は、学園あげての応援が呼びかけられ、特別予算まで設けられているらしい。
 もっともバスケ部快進撃は、あの恐竜リック・ジョンソンによるところが大きく、今朝の騒動がよい例で不安要素に事欠かない。
 「R♪U♪D♪A♪N♪C♪E♪ルーデンス!!」
 統制のとれた集団パフォーマンスと明るい笑顔。しかし男性としては、ユニフォームからこぼれる、健康的な肌に目が行ってしまう。
 中でも、特に可愛い金髪娘に目がひきつけられる。まだあどけなさが残る顔立ちで、他のチアリーダーと比べれば小柄である。だが集団演技の中、一際躍動感に溢れ、溌剌とした本当に楽しげな表情を見せ、素人目にもレベルの高さが伺える。
 はたと思い当たる節があった。クラスで噂されている、一年の可愛いチアリーダーとは、あの子のことじゃなかろうか。確か名前は‥
 「ちょっと、そこのオタク!」
 思いもよらぬ不意打ちに、心臓が飛び出るほど驚いた。
 恐る恐る振り返ると、案の定天敵リーエンが、つかつかと近づいてくるところだった。 その汚物でも見るような表情は、今朝と全く同じで、唯一の違いは、制服の代わりに陸上の黒いランニングウェアを着てることだけである。
 「一体ここで何してるの!」
 「何って、これから教室に帰るところだよ」
 これは本当のことだが、まるで信じてない目が僕を見据える。それにどうやら火に油を注いでしまったようで、侮蔑の表情に怒りが混じる。
 「嘘、いやらしい目でチアリーダーを覗いてたでしょ」
 あまりに大きい声なんで、グラウンドの女の子達に聞かれるんじゃないかと視線を走らす。どうやら音楽の大音量にかき消され、こちらには気付いてない。
 「覗いてたって、ちょっと通りがかりに見てただけだろ。大体。そっちこそ何してるんだよ」
 「私はオタクの痴漢行為を見掛けたから、わざわざ練習を中断して止めに来たのよ!」


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