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凶眼
【制服 官能小説】

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〜第1章〜 水曜日 レアン-4


 その日の授業はずっと上の空だった。退屈ではあっても平穏な一日を送るはずが、今日は朝から殴られたり蹴られたり。かと思えば、学園一の美女に心配されたりと波乱万丈である。生徒会長のあの美しい瞳が心に焼きつき、陶然とした気持ちに陥りそうになる。
 だが、それより気にかかるのは凶眼だ。
 今は何の変哲もない石ころだが、さっき確かに生きてるように動いた。あれは絶対気のせいや勘違いではない。昨夜の話が急に現実味を帯びてくる。
 しかし、もう一度確かようとの試みは徒労に終わった。念じながら握ってみたり、口の中に入れてみたり、馬鹿らしいとは思いつつ話しかけたりもしてみたが、何の変化も見られない。
 「‥女の子を貴方の好きに操れるのよ‥」
 頭の中でフラッシュバックする占い師の声、そして心配そうに僕の顔を覗き込む、生徒会長の美貌‥
 ―生徒会長を、僕の好きに操れる?
身を呈してかばってくれた恩人なのに、心の中に欲望の暗い炎が灯るのを感じ、我ながら驚いた。
 だが、その炎は消えることなく、僕の心をとろ火で炙り続ける。
 信じきることもできないが、冗談で済ますのも難しい。とにかく放課後を待って、この凶眼の力を試してみよう。僕はそう決心した。

 終業のチャイムが鳴り響き、教室は雑然とし始める。この後の生徒の行動はいくつかのパターンに分かれる。すなわち、部活動のあるものは部活へ向かい、帰宅部はすぐに帰るか、残って友達と雑談を始めるか。
 水曜日は塾が休みなので、いつもの僕ならさっさと帰るに属するのだが、今日は「実験」のため校内で「実験対象」を探すことにした。
 占い師の言ったことを信じれば、凶眼には女の子の心を奪う力があるらしい。しかし、どうすればいいかは、女の子と二人きりになればわかる、と言われただけで、心を奪う、と言うのが実際どういうことかもよく分からない。
 とにかく女の子と二人きりに、それも辺りに人気のない所でなる必要がある。付け加えるなら、この話がデタラメであった時、言い訳が言える状況で、かつ、女の子が魅力的な子であるのが望ましい。
 残念ながら、僕にそんな女子の、特に冗談が言えるような知り合いはいない。そこで他の教室を見回って、一人で残っている女の子がいないかを探してみることにした。
 しかし2年の教室から始め、1年の教室まで覗いてみたが、残っている生徒は少なく、いても必ず複数人であった。
 探索範囲を広げ、屋上や校庭を探してみても結果は同じであった。放課後の校内は、思っていたより閑散としてるようだ。


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