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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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白い世界-3

 崖っぷちより遥か後方で地面に手をついていたベルリアは大きく息を吐く。

「ふぅっ……さて、どうする?キャラ?」

 問いかけられたキャラは顎に手を当ててしばし考える。

「……魔力の塊ってどうやったら無力化出来るんですか?」

「それは私とアースの仕事だね。どうにか近づいて塊そのものに働きかけて分解してみよう」

 ベルリアの言葉にアースは力強く頷く。

「じゃ、オレが囮で、ベルリアさんとアースを援護して魔力の塊まで導くっつう感じで……奇襲チームに伝える事は出来るかな?」

「俺やる!戦いとか邪魔になりそうだし、ここら辺の洞窟は小さい頃からの庭だから良くわかるっ!」

 名乗り出たケイに頷いたキャラは、デレクシスにもついて行くように指示した。

「私はこちらに残る」

 デレクシスの答えに、ザックとの意識共有も上手く出来ないのに何を言い出すのか、とキャラは憮然とする。

「うるさい。邪魔」

 あっさりと切り捨てるキャラにデレクシスはムッとした。

「死ぬ覚悟は出来ている!!」

 デレクシスの放った言葉に、表情を険しくしたキャラとアースから同時に平手と蹴りが飛んできた。
 ちなみに平手はキャラが頬に、蹴りはアースが背中にゲシッといった感じで。

「死ぬ覚悟なんかいらねぇんだよ!」

「生きる覚悟を決めろ!!」

 いい加減我慢の限界、とキャラとアースはデレクシスに怒鳴りつける。

「生きる……?」

 キャラに叩かれた頬に手をやったデレクシスはわけがわからない、と顔をしかめた。

「そうだ!!今からオレらは生きる為の戦いをやるんだ!そんな中に自殺願望がある奴が混じってたら迷惑なんだよっ!」

 別に死にたい訳じゃない、とデレクシスはむくれる。

「これからの戦いで絶対に死者は出るだろうよ。そいつらの命を背負って生きる覚悟をしろってんだ」

 アースは吐き捨てるように言うと憤慨してるキャラを引きずるようにしてその場を離れた。
 デレクシスは座り込んでキャラとアースに言われた言葉を頭の中で反芻する。

(民の為に自分を犠牲にするのは王族として当たり前なのではないだろうか?)

 それを考えると囮になると言ったキャラの行動は納得出来るが、それは死ぬ覚悟が出来ているという事ではないのか?……良くわからない。
 そこに筋肉隆々の冒険者がしゃがんでデレクシスに話しかけてきた。


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