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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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白い世界-11

「1匹引き付けとけっ!」

「はっ!!」

 デレクシスはザックを怪鳥に近づけてギリギリで反転させる。
 1匹がそれに反応してザックを追いかけた。
 残りの1匹の上空に移動したオーウェンからゼビア国王は飛び降り、落下の勢いを利用して怪鳥の首を切り落とす。

「うげぇ……」

 返り血を浴びたゼビア国王は、落下しながら口に入った血を唾と一緒に吐き出した。

「うおっと」

 オーウェンはゼビア国王の下から潜るようにして体を受け止める。

「感謝っ」

『なんのっ、後1匹じゃぞ』

 ザックを追い回している怪鳥に目を向けると、ザックが宙返りする所だった。
 宙返りしたザックは両足で怪鳥の後頭部を掴み、城壁にぶつけてそのまま壁を削って地面に叩きつける。

『おお』

「やるじゃねぇか」

 一部始終を見ていたオーウェンは感嘆の声をあげ、ゼビア国王は口笛を吹いた。
 しかし、ザックが飛んで戻って来ないので行ってみると、小さくなったザックとデレクシスは怪鳥の横で伸びていた。

「コラッ伸びてる場合じゃねっだろ!!」

「うぇっ」

 ゼビア国王に蹴られて意識を取り戻したデレクシスは、いきなりえずきだす。

「おいおい……」

『魔力酔いじゃな』

 初心者でいきなりの長距離移動なら魔力に酔っても不思議じゃない。
 一通り胃の中を吐き出したデレクシスは、咳き込みながら呼吸を整える。

「で?どうしたよ?追い返されたか?」

「ゲホッ……違いますよ……」

 背中を擦ってくれるわけでもなく、馬鹿にしてくるゼビア国王をデレクシスは軽く睨んだ。

「オーウェン殿に報告が……うぷ」

 再びえずくデレクシス……これじゃ話にならない、と仕方なくデレクシスとザックをオーウェンの背中に乗せたゼビア国王は避難場所へと引き揚げる事にする。


「はい、酔い止め」

 イズミに薬と水を渡されたデレクシスは、ありがたくそれを飲む。

『儂に報告とは?』

 やっと落ち着いたデレクシスにオーウェンは人型に戻りながら聞いた。


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