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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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君のいる景色 -3

(飴と鞭をリアルに見た気分だな……)

(上手いわね、見習わなきゃ……)

 腐れ爺ぃだの邪魔だの言われたのに、微笑みひとつでデレデレする自分の父親らに、デレクシスとイズミはため息をついた。
 キャラは王様達から離れるとラインハルトに耳打ちする。
 ラインハルトは拡声器を使って避難場所にいる人々に脱出について説明を始めた。

「脱出せずに残って共に戦ってくれる者は申し出てくれ」

 ラインハルトの言葉に何十人かの冒険者やファンの若者が集まる。
 冒険者の中には魔法使いもおり、ゼビアで学んだ何人かがベルリアに再会の挨拶をしていた。
 キャラは協力者を集めて一緒に北へ行く者と、守護にあたる者に分ける。
 冒険者は魔物と戦った経験が多いので優先的に北へ。
 ファンの若者達は土地勘があり、洞窟内も詳しいので先に北へ向かったチームとの連絡係と守護にまわってもらう。

 人々が準備を始めるとキャラの周りに兵士達が集まる。

「姐さん(あねさん)、こっちの準備は出来ました」

「姐さんはグロウさんに乗りますか?」

「……姐さんはやめろ……」

 総指揮をとるキャラに対して『姫』をつけて呼ぶとやりにくいだろうから『キャラ』でいいと言ったのだが、それでも呼び捨てには出来ないと、何故だか兵士達は『姐さん』と呼び始めた。

「贅沢を言うものではないよ、姐さん」

「そうだよ姐さん。いい愛称じゃないか」

 人々への説明が終わったラインハルトとギルフォードがキャラを見送りに近づきながらたしなめる。

「顔が笑ってますよ、顔が」

 キャラは双子の兄に一発ずつ蹴りを入れた。
 兄達は笑いながらキャラを同時に抱き締める。

「すまない……お前にこんな事をさせて……」

 悲痛なラインハルトの声にキャラはクスリと笑った。

「適材適所ですよ。私は兄様方よりこういうの上手ですし……好きなんです」

 兄達の背中を軽く抱き返したキャラはスルリと2人から離れる。

「こっちはお願いします」

「わかった」

「気をつけて」

 手を振って2人に背中を向けたキャラは、兵士達の待っている所へ走って行った。


 キャラ達が北へと出発した頃、最北の洞窟ではアースとケイが額を合わせていた。

「……わかったか?」

「う〜ん……なんとなく……こうかな?」

 胡座をかいたケイの後頭部に左手をやり、額を合わせたままアースはケイの魔力を誘導する。
 ケイの肩に乗っていたクインがピクリと反応し、クパっと口を開けるとその前に水の球体がうまれた。


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