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不倫ごっこ
【幼馴染 官能小説】

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不倫ごっこ-5

「面白そうね…してみましょうか不倫ごっこ。」

「不倫ごっこ!?」

「そうよ、こういうの不倫関係って言わないの?」


こんな私でも実は他の男と浮気した事はない。
タカ君だって嫉妬深い奥さんが怖いから、ちょっと私が懐かしくなっちゃったのかも知れない。

看護婦ごっこにお医者さんごっこ、探検つきの廃屋新婚旅行ごっこなんてのもしたなぁ。
思えば私たちは幼い頃からろくな遊びをしなかった。

その、ろくでもない遊びを思いつくのはいつも私なのだった。

「何それ?」

「だから…私たちが幼なじみって事は家族にも誰にも内緒にして、二人でこうして会ったりして不倫関係のスリルを楽しむのよ。」

カウンターの中でサイフォンなどを磨いていた喫茶店のおばさんはもうすぐ閉店しますからというような事をそっと告げた。

「馬鹿馬鹿しいけど、エミちゃんの昔とかわらないキラキラした目で言われると敵わないなぁ。
不倫ごっこはともかくとして、また連絡ぐらいは取り合おうよ。」

「あら、本当はしたいくせにぃ…
タカ君、昔からいつもそうやって何でも私のせいにするんだから。」

そうして私たちは喫茶店を出ると別々の道を通ってお隣同士の自宅にそれぞれ帰宅して行った。
なんだかその時からすでに雰囲気が出て、ワクワクしてしまった私は携帯にメモリーしたタカ君のアドレスを何度も眺めて、その日はまた何度も電話をするマネをしてみた。


日曜日の待ち合わせはあの喫茶店。
ここも人目を避けなきゃいけない事からどうかと思うけど、そこで私たちは待ち合わせてなぜかベイブリッジへ行ってみた。

なぜベイブリッジなのか?何となく不倫関係の切なさが味わえそうなイメージがしたからだ。

「ねえ、つまんないわ。
飽きちゃったよ。」

歩き疲れて海浜公園の策に腰を下ろすタカ君の手を取ってぶらぶらと振ってみせる。

「エミちゃんが横浜に行こうって言ったんじゃないか。」

「不倫といえばやっぱり温泉旅行よね。」

「温泉!?…旅行?
なんだかずいぶん古風だね。」

「んっ…イメージよ、イメージっ!
今どきじゃあ愛人と温泉とか行かないのかしら?」

「愛人と…って、それはどうか知らないけど旅行はちょっと無理かな…」


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