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sweet chocolate
【OL/お姉さん 官能小説】

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sweet chocolate-1

「異動?鈴木主任が?」

「らしいですよ。まだ辞令は出てないらしいですけど」

2月に入り、そういう話がチラホラと聞こえてきてもおかしくない時期の昼休み。営業所に残っているのは私とコータくんだけで、そんな話になった時に耳にしたのは思いがけない人の名前。

「そ、そーなんだ。どこに?」

「アクマでウワサですけど、支社外じゃないかって…」

「支社外?っていうかソレはどっから情報なの?」

「や、出処は定かではないですけど。もし修平さんが違う支社いっちゃったらオレ、ショックだなぁ」

いやいや、もし事実だとしたら私のほうがショックなんですけど、って言えるわけないけど。ウチの会社は支社の管轄エリア内での異動はしょっちゅうだがよっぽどのことがないと別の支社への異動はない。自分で地元に帰りたい、とか希望を出せば別らしいけど。しゅーちゃんの地元は隣の支社の管轄だけど、地元に帰りたいとか聞いたことないし。異動の話すら聞いたことない。昇進試験の話とかも聞いたことないしなぁ。

「まぁ辞令が出るまではわからないよね。私もここへの異動辞令でたのけっこうギリギリだったもん」

去年の今頃。支店内でもウワサになってたっけ。次の異動は私じゃないかって。あの頃は憧れの鈴木主任と同じ職場で働けるなら異動もいいかもなんてのんきに思ってた。実際異動してきてみたら全然会話なんてできないし、むしろ嫌われてるなんて勘違いしてたわけだけれども。忘年会で意気投合してエッチまでしちゃって付き合うようになって。クリスマスの三連休と年末年始はほぼ一緒に過ごした。でも年が明けてからはお互いバタバタしていて週末のどちらか1日を一緒に過ごせればいいほう。先々週はしゅーちゃんがインフルエンザでダウンしてた。お見舞いに行こうか、って言ったら

「お前はバカか。移ったらどうする?」

って怒られて(まぁよく考えれば当たり前なんだけど)結局会えず。先週は一応病み上がりだから会うのは控えた。その前の週は私が生理痛に苦しんでて一緒に過ごしたけれど、それどころじゃなくってエッチだってしばらくしてない。

でももししゅーちゃんの異動の話が本当だとしたら。私たちどうなるんだろう。支社外に異動なら確実に引越しだよなぁ…支社内にしたって引越しの可能性はなくはないだろうし。そうしたら遠距離もしくは中距離恋愛?それともこのままフェードアウト?異動の話を何もしてくれないのは、しゅーちゃんもまだ知らされてないから?それとも辞令が出てないから私にも話してくれないの?クリスマスにいつか結婚しようとは言ってくれたけれど、その後その話題は一度ものぼってないし…

「チカさん?」

「あ、あぁごめん。異動してきた頃のこといろいろ思い出しちゃった」

ボーっと考え事をしていたせいか、コータくんが心配そうに呼んでくれた。まずい。しゅーちゃんの異動でショック受けてるとか思われたらまずい。

「そっか。チカさんは異動歴アリなんですよね。オレここが最初の配属だからなぁ。でもここの営業所の人って基本的にみんな長いですよね?」

「そうだねぇ」

「あ、とりあえずまだ他の人には言わないでくださいね。違ってたら大変ですし」

「もちろんだよ」

っていうかそれを言うなら私にも情報提供してくれるなよなー、なんて思いつつ。壁にかかったホワイトボードの行動予定欄に何気なく目をやる。しゅーちゃんは客先から直帰予定らしい。そっか、今日も会えないのか。ため息がでそうになるのをなんとかこらえる。

「あ、チカさんお菓子作りとか好きですか?」

「え?うん、嫌いじゃないけど?」

「チカさんはバレンタイン手作り派ですか?こんなアプリみつけたんですけど」

バレンタイン、か。平日だから一緒に過ごすのは無理だろうなぁ…ってその前に職場の人たちへのチョコどうしよう。支店にいた時は女子で割り勘して用意してたけどここは女子私一人だしなぁ…

「へぇ?レシピなんだ。美味しそうだねぇ。彼女に作ってもらえば?」

「彼女なんていませんよー。チカさん作ってください」

「へ?なんで私?」

「なんでって…」

困ったような顔をしたコータくんに私も困ってしまって営業所の中にミョーな空気が流れた瞬間、ガチャンとドアがあき、ムスっとした表情のしゅーちゃんが立っていた。

「お疲れ様です」

助かった、と思ったのはその一瞬だけで。

「あれ?修平さん直帰じゃなかったんですか?」

コータくんが無邪気に話しかけると

「いや。忘れもの取りに来ただけ」

なんだか不機嫌そうだ。

「修平さんもチカさんの手作りチョコ食べたいですよね?」

うわぁ。なんかイヤな予感がする。しゅーちゃんはこちらをチラっと見たけどすぐにコータくんのほうをむいて

「腹壊しそうだから、自分で作る」

と言い放った。あ、ひどい。ちょっと傷つくよ、その言い方。

「あ、じゃぁ修平さん、オレの分も作ってください!」

「あ、鈴木主任。私の分もお願いします!」

落ち込んだこと悟られないように、コータくんの意見に明るく乗っかってみる。

「なんでお前らの分オレが作んなきゃいけないんだよ。百歩譲って鈴木はいいけど航太はダメ」

あ、よかった。私はいいんだ、って百歩譲ってって何ー?

「あ、修平さんひでぇっ。チカさんの分作るんだったらオレの分もー」

「お前は彼女に作ってもらえ」

「彼女いないの知ってるじゃないですかー」

「じゃぁ鈴木に作ってもらえ。で、腹壊せ」

「なんで腹壊すの前提なんですか?っていうかなんで私?」

なんでそういう言い方するのかな?他の男の人に手作りチョコあげるのイヤじゃないのかな?しゅーちゃんの意地悪…


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