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ある雀師の散々な一手
【コメディ その他小説】

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ある雀師の散々な一手-2

僕「かわいそうに……」


『ロンなんかいっ!
  ダブ東白の
   字牌で三翻
三暗トイトイ
 あわせて七翻っ!!』


僕「鳴くと思ったら"ロン"されて……。しかも高っ!! キツイっすねぇ」


手元には
  五つの模様
    並ばせて
嬉しそうに
  笑顔を見せる


僕「ツモれば四暗刻。だから下家は一瞬迷っていたんですね」


『泣きそうだ…
    一万八千
     直撃かぁ』
気持ちはヘコみ
  しばしうつむく


僕「それから?」


トントン、と
   下家が肩を
     叩くので
うなだれたまま
   点棒をだす


僕「七役跳満。1万8千点は痛いですよね」


『泣いてる?』と
   下家にかるく
     馬鹿にされ
悪夢捨て去り
    一念発起!

『泣くもんか!
  今度はアガって
    巻き返すなり』


僕「さすがです! まだ終わってませんもんね」



ーーーー下家−
『泣かぬなら
  泣かせてみせよう
     ドラのせて』



そう言うと
 〔中〕と〔九索〕を
    目の前に置く


僕「忘れてた、ドラがあったんだ。〔九索〕と、もう一枚は〔中〕だったんですか? じゃあ……ドラで6役っ! ありえねぇ−! ……あっ!それって……」
 彼は虚しく頷いた。


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