I am Providence W-3
ボルジア家で、今や唯一絶対の象徴である「血」を受け継ぐ人間は、アナスタシアのみである。そんな彼女の私室に置かれた豪奢な椅子に座る不気味な男は、傍らに立つ巨漢の報告を黙って聞いていた。
「……ムラトとアリーが、森の奥で発見されました。アリーは胸に突き傷。ムラトは首の骨が砕かれていました」
巨漢は相変わらず、室内であるというのに兜を装着したままだ。対する灰色の外套を纏うラスプーチンは、その報告に対して感慨もなく頷く。彼は退屈そうに自らの髪を弄くっている。
「ふうん……じゃ、やっぱりあの三人は執行官だったわけだ。あーあ、厄介だねえアルバーメフ? 奴ら、勢いに乗ってここに乗り込んでくるんじゃないの? 僕はあんまり肉体労働が好きじゃあないんだ。ホントなら、アナスタシアの相手をするのにだって給料が欲しいくらいだよ」
男の冗談とも本気とも判断しにくい言葉に、アルバーメフは応えない。彼は、ただ短く、彼の意志を伝える。
「執行官が相手なら楽な戦いにはならないでしょう。奴らが来るのなら、某は全身全霊で立ち向かうのみ……」
その言葉は、彼の見た目通り、武人らしい無骨だが闘争的なエネルギーを感じさせるものだった。彼とは対照的な灰色の男は、その言葉に軽い笑いで返すだけだ。アルバーメフは、もう用件は済んだとばかりに、一礼すると私室を出て行ってしまう。
「……堅物だなあ。混ざっていけばいいのに」
ラスプーチンの視線の先、豪奢な天蓋付きのベッドには、アナスタシア姫と二人の男、ボルジア家の重臣である貴族がいた。今晩は、この二人の相手をするのがアナスタシアの役目だ。アナスタシアは、その華奢な体を、男達の欲望のまま縛り上げられている。
革製の袋に、アナスタシアの両腕はすっぽりと嵌められ、外側から縄でしっかりと腕が抜けないように縛られているのだ。うつぶせの状態で、ほぼ真上に腕を伸ばして、天蓋に繋がれた紐と革製の袋はつながっている。相当苦しい体勢だろう。
二人の男は、そんな少女をいたぶり、蹂躙している。一人の男は後ろからアナスタシアを貫き、もう一人は彼女の口に自身の欲望の象徴を突き立てていた。彼らの欲望は留まることを知らず、すでに何度の精がアナスタシアに向けて放たれたのかわからぬほどだ。室内には濃密な男とアナスタシアの性の香りが充満しており、それが媚薬となって男とアナスタシアの色欲を誘惑する。
男の放った精は、アナスタシアを汚していた。背中、尻、そして顔、髪にまでかかった男達の精液によって、アナスタシアはその高貴な体を汚されていた。腕を縛り上げられ、抵抗もできぬままに本来なら格下であるはずの男の肉棒を咥えるアナスタシアの目は、弱々しく男に奉仕をする奴隷のものだった。
男はその征服欲を満たし、今や自らの奴隷であるボルジア家の次期当主候補の喉奥へ、またも精を放つ。
「んっ! んぶうう!」
喉の奥から歯の間にまで白濁の液は飛び散る。男は自らの肉棒を引き抜くと、命令を下す優越感を湛える目で高貴なる姫君に命令する。
「口を開けろ」
少女は、秘部を突き立てるもう一本の肉棒から得る快感に耐えながら、従順に口を開いた。綺麗な歯並びをした口の中に、男の放った精液がある。少女の舌がそれを掬い、舌に集めていく。そこまでして、彼女は上目遣いで次の命令を待っていた。
「飲め」
その言葉を聞き、少女が喉を鳴らして男の欲望を飲み込んでいく。目をつむり、その味を最大限に感じられるようにしながらだ。全てを飲み下すと、彼女は目を開いて男を見上げる。
「アナスタシアのお口……は、気持ちよかったで……しょうか? ご主人……様ァ……ンアッ!」
媚びきった表情で男を見合えるアナスタシアには、名家たるボルジア家の気品は見あたらない。そこにいるのは、性の虜となった一匹の雌犬だった。男はその答えに満足したのか、後ろからアナスタシアを貫く男へ目配せする。それだけで男はなにがしたいのかわかったのか、アナスタシアの腰を掴むと、ひょいと簡単に彼女を持ち上げた。
重力が加わり、一段と深く肉棒がアナスタシアの秘部に突き刺さったことで、彼女が嬌声を上げる。甘く甲高いそれは、彼女がこの行為を愉しみきっていることの証左だ。
後ろの男に抱きかかえられる体勢になったアナスタシアに、欲望をはき出したばかりだというのにもう怒張している肉棒を携えた男が近づく。アナスタシアのアナルには、木製の「蓋」がしてあり、男はそれを迷うことなく引き抜いた。
「アアアア! それいやぁぁ。ンアっ……だめぇ……」
アナスタシアはアナルを塞いでいた栓を抜き放たれ、強い快楽を引き出された。そして、彼女のアナルからは文字通り堰を切ったように白濁の液体がこぼれ落ちていく。
「あああ……出て行くの……熱いのがぁ……ああ……」
自らが放った欲望が彼女のアナルからこぼれ落ちている最中なのも構わず、男はアナルに肉棒を突き立てた。本来なら異物であるはずの肉棒だが、アナスタシアの開発されきった体は、それを苦もなく飲み込んでいく。
「おお、おかげで締まりが良くなったわ」
後ろからアナスタシアを責める男が悦びの声を上げた。そして快楽をより貪ろうと、腰の動きを激しいものにする。アナスタシアはその責めに従順に反応し、甘い声を上げながら体を痙攣させる。アナルを責める男も、乱暴に彼女の中をかき回すが、彼女にはそれすらも快楽の甘い痺れとなって襲いかかってくるようで、今や弓なりに体を仰け反らして快感に身を委ねている。