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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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序章-13

「君、姫に対して無礼だぞ」

 気安く話すエンにデレクシスが気を悪くして注意する。
 きょとんとしたエンは頭を掻きながらペコンと頭を下げた。

「えっと……ごめんね?」

 エンの謝り方にデレクシスはガクンと首を落とし、キャラは思わず吹き出す。
 その声はアースの耳にも届き、チャンスとばかりに踊るのを止めた。

「失礼、イズミ姫。どうやらうちの者が無礼を働いたみたいです」

 アースはイズミに礼をするとそそくさとその場を離れる。
 すると、残されたイズミも後を追いかけてきた。
 アースにそれを止める事は出来ないので仕方なく手を取ってエスコートする事にする。

「キアルリア姫?うちの者が何か失礼を?」

 アースが声をかけると何故かデレクシスが答える。

「ゼビアの国はいったいどういう教育をしているんだい?!」

 てめぇに聞いてねぇよ、と言いそうになるのをグッと堪えたアースにキャラは賞賛の眼差しを送った。

「申し訳ない、デレクシス殿。彼はキアルリア姫とは学友なのでゼビアでの癖が出てしまったのでしょう……エン!気をつけろよ」

 一応エンに注意すると、エンは肩をすくめる事で返事をする。

「ああ、そうだキアルリア姫。私の父が話があると言っていました」

「学長がですか?」

「ええ、魔獣についてわかった事があるとか……」

「すぐに参ります。イズミ姫、デレク王子、失礼致します」

 まるで打ち合わせたように会話をした2人は、イズミとデレクシスに礼をしてサクサクとその場を立ち去った。

 庭に出たアースとキャラは他の連中に見つからないように移動して、人目のつかない場所を選んで足を止めた。

「あ〜!!面倒くせぇ!!」

 アースは騎士団制服の上着をキャラに渡して、大の字になって寝転ぶ。

「オレの苦労がわかったろ?」

 自分の行動に常に国が絡んでくるのは中々鬱陶しいだろう?とアースの上着を羽織ったキャラは笑った。

「全くだ……」

 目を開けたアースはキャラのドレスの裾をちょいと引っ張って、横に座るように促す。

「疲れたか?」

 促されるままにアースの横に座ったキャラに、ずりずりとにじり寄ったアースは膝に頭を乗せた。


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