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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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再会のバトル-4

 アースはキャラを抱き上げアビィに飛び乗ると……歓声をあげている観客に見せつけるようにキャラと唇を合わせた。
 驚いて少し抵抗を見せたキャラだったが……すぐに目を閉じてアースに身を任せる。
 フワリと翼を広げたアビィはゆっくりと空へと舞い上がった。

「夜にはお返しします」

 唇を離したアースは歓声や冷やかしの口笛や花吹雪を浴びながらラインハルトとギルフォードの頭上を一度旋回して何処かへ飛び去る。

『止めないのか?』

「いや……ラインが止めるのかなって……」

「私はギルが止めるかと……」

「なんだかフラれた気分ですわ……」

 グロウの問いかけにラインハルトとギルフォードは責任の擦り合いをし、複雑な気分に陥った花嫁のステラは手を頬に当てて2人が飛んでいった空を眺めた。


 お祭り騒ぎから大分離れた場所で、先にアビィから降りたアースはキャラに手を貸す。
 アースの手を借りてアビィから降りたキャラは、振り向いてアビィに抱きついた。

「久しぶり〜元気だったか?」

『キュア♪』

 お互いに頬擦りして再会を喜び、キャラはアビィに魔力を分けてやる。

「お疲れ。エンの所に戻っていいぞ」

『キュウ』

 アースの言葉にアビィは返事をして飛び去った。

「エンさんは近くに居ないのか?」

「ゼビア王と明日着く予定だ。俺はそれを知らせにアビィで先に来た」

 王族や貴族が動く場合、こうして先触れに来ておかないと迎える側がバタバタしてしまう。
 もし、他の貴族やらと到着がかぶったりした時は、身分の低い方が時間をずらしたりするのだ。

「んじゃ、報告に行けよ」

 別に迎えに来たわけじゃなく、仕事のついでだとわかったキャラは不機嫌になってフイッと横を向く。

「迎えのついでに仕事してんだよ」

 アースは苦笑すると腕を伸ばしてキャラを抱き寄せた。

「やっと会えた」

 そっと耳元で囁く声にキャラはゾクリと背中を震わせる。

「……うん」

 アースの胸に顔を埋めたキャラは懐かしい匂いを吸い込んだ。

「お前が……花嫁かと思ってさ……」

 少しばつの悪い顔をしたアースは、格闘バトルに参加した理由を話す。


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