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ぷち会議
【コメディ その他小説】

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ぷち会議-1

暗闇の中で六人の人間が集まった。仮にA、BC、D子、E、Fとしよう。ちなみに女性はD子だけだ。集まった理由はただ一つ。『現代人に必要なモノは何か』とゆう事について話し合う為だった。
「今の若い者はなっとらん。常識も何もあったもんじゃない」
Aは会議が始まった直後に口を開いた。
「わかりますぞ!挨拶もなければお辞儀すらない…」
ふんふんと、E以外の皆はBの言葉に頷く。何故Eが頷かないのか…。
「いや、若者と一括りにするのはいかがなものかと…」
「バカな!本当の事だろう!」
Eの言葉に反論するB。
「いや…」
Bに反論する者が、E以外にも出現した。それはCだった。
「若者にもいい所はありますぞ?」
Cの言葉を聞き、
(よかった…)
とEは思った……のはつかの間。
「獣耳がたまらない…」
正直な話、
(終わった…)
Eはそれしか頭になかった。コスプレの話などいらないとも思ったが、それもつかの間。
「わかりますぞ!耳!現代人には耳が必要だ!」
Bのその言葉を聞いた時に、Eは嬉恥ずかしながらも反論する気力がなくなった。
(この人達が終わってる…)
直感以上の鋭さで感じ取る。
「何が耳だ。そんなことの為にこの会議を開いたわけじゃないぞ」
実はAがまともだったことに対して安堵を覚える。嫌な予感がする事を除いて…。
「エプロンドレスだ!」
ガッツポーズで言われたらなす術もなくなる。D子を除いた全員が、涙を頬に伝わせ、笑顔でガッツポーズ中のAに拍手を送っていた。この六人の中でまともだったEとD子は帰りたくて帰りたくて、まさにその『帰りたいオーラ』は、有名な深夜番組が消えた時、コアな視聴者が出していたモンモンとしたオーラに似ていた(?)。
「エっプロン!エっプロン!」
(こいつ等…金あんならやりゃいいじゃん…)
「俺はアノ喫茶店でしか見たことがないんだ!」
(そんな喫茶店があるのか!?)
「わしは妻に頼んでも着てくれなくて…」
(着せようとするなって!妻ってババアじゃん!)
「お宅の嫁さんはいくつでしたかな?」
「16ですよ」
(犯罪〜)
「若いですなぁ〜」
(レベル間違えんなよ?16だぞ!未成年だぞ!……いいなぁ…)
「私は娘に着せてパパと呼んで欲しい…」
(アホ親父もいるなぁ……)
「はて、娘さんいらしたかな?息子さんの話なら聞きますが…」
「あはは、違う娘ですよ」
(パトロンやってんのかあんた!?)
「いいですなぁ…」
(だからよくねぇよ!)
Eは心の内でツッこむのもだるくなったので、エプロンドレスの話題で盛り上がる中年四人を置き去りにし、D子と共に会議室を後にした。
(お偉いさんがやる会議か…)
Eよ…間違えてるぞ。話題が違うことにツッコミ忘れるな…。


END


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