夜明けのシンデレラ(♂)-12
「ん、むぅ…っ」
こじ開けられた唇から、智哉の舌が入り込む。
歯列の裏まで蹂躙されて、流れ込む唾液は甘い。
「あぅ…」
予想もしなかった羞恥にさらされ凍りついた全身が、妖しく溶け始める。
頭の片隅に僅かに残っている理性が、シャツ一枚を羽織っただけのはだけた智哉の胸板を押し退けるけれど、やがてはそれも力をなくした。
「ダメだよ…智哉。誰かに…み、見られちゃう…!」
「いいよ」
「そ、そんな…あっ、はぁん!」
――ビクリと、身体が跳ね上がる。
固く起ち上がったままの胸の頂に這う、智哉の舌の熱さ。
「あ、んん…っ」
途端に、身体の奥から熱い泉が沸き上がる。
彼と同じようにシャツ一枚しか羽織っていない私は、もちろん、下着も智哉に脱がされ済みで。
お尻まで隠れる丈のシャツだとはいえ、守るものも遮るものも何もない秘所からは、やがて淫らなぬめりが太腿にまで伝ってくるのがわかった。
「桜子さん…月明かりに照らされて、すごくきれいだよ」
「いやぁ…あぁっ!つ、冷た…!」
背後にあるのは、バルコニーへ出るための吐き出し窓だから、その大きさはゆうに私の全身を越えているものだ。
その窓に背中を押し付けられ、シャツ越しに伝わる12月の冷気に身を震わす。
「冷たい?…でも、桜子さんのここは…すごい熱くなってる」
「あ、あぁぅ!」
智哉の長い指が、私の秘裂に飲み込まれて。
「やぁ…ん!か、かき回さないで…」
耳に届く、私から零れる卑猥な水音。
やがて。
指の数は二本に増やされ、内壁をこするその快感が全身を支配し始める。
「ん、んぁ…あ、はぁ…智哉…もうダメ…立ってられ、な…!」
膝の力が抜け、崩れ落ちる瞬間――。
「あ、あぁぁぁーっ!」
くるりと身体を反転させられ、智哉の熱く猛ったそれに後ろから貫かれた。
「あ…あぅ…」
「あぁ…桜子さん、すごい絡みついてくる…」
両手で私の腰を支えながら、耳元で智哉が囁く。
「はぁ…あぁ…う、映っちゃってる…よ…」
気が付けば、今まで背にしていた窓ガラスには、灯りも消えた真夜中の街を背景に、淫らに繋がる私たちの姿がはっきりと映し出されていた。
「本当だ。…ほら、桜子さんの悦んでいる顔、見て」
「あぁ…いやぁ、恥ずかしい…」
もう、何も考えられなかった。
目の前には、だらしなく涎を垂らしながら快楽に溺れていく自分。