華麗なる逃亡日記 〜A reminiscent talk〜-7
「お〜い、生きてるか〜い?」
御幸はそんな声で目を覚ました。見上げると美奈が顔を覗き込んでいた。
「穂沢さん?ここは…って、あれ?」
「どうかしたの?」
「なんか既視感を感じて…」
「いや、実際に二回目だし」
「え…?」
しばらくしてはっきりと思い出した。確かに今日二回目の光景である。
「そうだ!あいつらは!?」
「あぁ、あの人達なら帰ったよ」
「そっか。なら別にいいや」
「以外といい人達だったよ」
「本当に?」
御幸は男たちの顔を思い出す。とてもじゃないがいい人には…
「うん。なんか『気に入った!困ったことがあったら相談にこい』とか言ってたし」
「そ、そう…」
何でそんなに気に入られたのか気になったが、聞かないことにした。
「ところで御幸くん…さっきのは何?」
「さ、さっき?」
急に不機嫌になる美奈。はっきり言ってかなり恐い。
「主人公は新技を出したら必ず勝たなくちゃいけないの!」
「‥‥‥‥‥で?」
ものすごく嫌な予感がするが、とりあえず続きを促してみる。
「あんな不様な姿はヒーローにあるまじき姿なのよ!」
「‥‥‥」
俺はヒーローじゃない、とか、新技なんて持ってない、とか思ったが黙っておく。
「だから…」
「…だから?」
美奈の眼が輝く。もし嫌な予感メーターなる物があったら、振り切れていること間違いなしだ。
「…これから地獄の特訓よ!」
ずびしっ!っと言った感じで御幸を指差すと、高らかにそう宣言する美奈。
「久しぶりだわ。昔はよく拓巳くんを鍛えてあげたなぁ」
楽しそうに言う美奈。それを見ながら、御幸は『嫌な予感メーター』を作ろうと心に深く誓っていた…。
…この日の夜、偶然御幸に会った人物によると、全身ぼろぼろで廃人のようになっていたらしいが、それはまた別のお話。
‥‥‥終幕?