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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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黒い魔獣-24

「モテモテだねぇ〜」

 獣になってまでキャラに執着しているアースにエンは呆れて苦笑いする。

 たどり着いたアースの家は、何処からでも入れるように屋根や壁が破壊され、取っ払われていた。
 ベルリアとリンの努力により魔法陣も復活済み。
 キャラはアビィから魔法陣の中心へと飛び降りた。

「真ん中の円から出ちゃダメよ!」

 リンの声に足元を見たキャラは、言われた通りに円の中に入ってそこから動かないように意識する。

「!来た!」

 ベキベキと木がなぎ倒される音と共にアースが姿を見せた。
 金色の目はキャラを捉えて離さない。
 こんな状況なのにその目にときめいてしまった自分に呆れつつ、キャラはアースと視線を絡める。
 異様な状況を見たアースは、さすがに躊躇した。

「アース!グロウ!おいで!」

 家の前で止まってしまったアースにキャラは声をかける。

『グゥゥゥ……』

 唸りながら慎重に脚を進めるアースを両手を広げて待つ。
 脚を止めた事で落ち着いたアースは、逃げるわけでもないキャラにゆっくり近づき鼻をヒクヒクさせて匂いを嗅いだ。
 キャラはアースの首にそっと両手を回して抱く。

「……愛してるよ」

『……グゥ……』

 キャラの囁きにアースは擦り寄って目を閉じた。

 ベルリアとリンは目を合わせて頷くと、静かに呪文の詠唱を始める。
 ポウっとキャラとアースの体が光だす。

(抗わずに身を任せる……)

 以前、アースに魔力の使い方を教わった時、言われた言葉を思い出した。

(下腹に溜める感じだ。魔力の流れをせき止めずに誘導してやれ)

 アースの声が頭に響く……。

(大丈夫……やれる)

 体が熱くなってきたところで、下腹あたりを意識すると何処からか扉の開く音が聞こえた。

ギイィィィ

 すると、何かが下腹部から背骨を通って頭のてっぺんから吹き出す。

「!!あぅっぅぅ?!」

 絶頂時に魔力を吸われるのと似た感じにキャラは体を反らした。

『クゥッ?!』

 突然様子が変わったキャラにアースは体を離そうと身じろぐ。


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