屈辱の苦情処理-8
男のほうはネクタイを軽く緩めただけで、まだきっちりとスーツを着たままだ。
その事実があいりに更なる屈辱を与えていた。
その時―――制服のポケットに入っているあいりの携帯電話が鳴った。
苦情処理からなかなか戻らないあいりを不審に思った店の事務所からの着信であった。
「……でろよ……」
「……でも……」
「いいから出ろ。うまくごまかせよ」
男はあいりの上に馬乗りになったまま強引に通話ボタンを押し、無理矢理電話を握らせた。
「…は……はい……藤本です……」
なんとか必死に平静を装うあいり。
「…あ…は…はい……大丈夫です……今その……まだお客様とお話をさせていただいてまして……も…もう少しかかりそうです……」
やっとの思いでそこまで言った時、男があいりの上に覆いかぶさり、ごつごつした指が直接ヌルリとラビアを撫でつけてきた。
「ああっ……んんっ……いえっ……なんでも…あ…なんでもありません…は…はい」
男はダイナミックに肉芽をこね回しながら、陰唇を掻き分けて蜜壷に徐々に侵入してくる。
たっぷり濡れたその秘孔は、情けないくらいあっけなく不埒な侵入者を受け入れてしまった。
「……ん…はあっ……あっ…いえ……大丈夫です……んんっ…」
必死で目をかたく閉じて電話に集中しようとするあいり。
その隙をついて男があいりのブラジャーをむしり取り、ピンクの花蕾にむしゃぶりついてきた。
敏感な乳首を這う生温い舌の感触。そこを緩慢に刺激されるだけで身体全体が反応し、膣内でうごめいている男の指を強く締め付けてしまうのが自分でもわかる。
「……っ……はうっ…うっ…はい…もう少し…時間が…っ…かかりそうなんで…っ……お…お願いします…」
やっとそこまで言って電話をきった時には、節くれだった長い指が二本、あいりの最奥の肉襞を激しく掻き回していた。
「……お…お客様……もう…お許しください……」
事務所との電話のやりとりが、改めてあいりにTデパートの社員であることを自覚させ、「客」である目の前の男から逆らえない心理状態へとあいりを追い込んでいる。
「最高の快感を与えてやるよ」
男はニヤリと笑うと、先程取り出した手錠とロープで素早くあいりの両手をベッドに固定した。
両手を広げ、豊かな胸を男に惜し気もなく晒した格好で、あいりは身動きが取れなくなってしまった。
「……や……やめ……」
あまりにも屈辱的な自分の姿に、あいりがか細い声で抵抗の言葉を口にしたその時―――さっきまで男にまさぐられていた秘部が急激に熱を帯び始めた。
それと同時に強烈な痒みにも似た感覚が、クリトリス全体と膣に襲い掛かる。
「……あっ……嫌っ……何っ……」
肉体を支配する経験したことのない感覚に戦慄するあいり。
「……すごくセックスが気持ちよくなる薬だよ……」
男はニヤつきながら、先程の怪しげなビンを取り出し、ピンク色のドロリとした液体をあいりの乳首にべったりと塗り付けた。
あいりが電話に気をとられている隙に、同じ薬がクリトリスと膣の中にたっぷりと塗り込まれてしまっていたらしい。
恐怖に凍りついて動けないあいりの豊かな双乳を、ローションのようなぬるぬるの液体にまみれた男の手がこね回す。
その滑るような手つきと、媚薬の効果で、あいりの身体は急激に感度が高まっていった。
陰部と乳首に集中する狂おしいほどの掻痒感。薬を塗り込まれた部分の感覚が異常なまでに高まり、刺激を欲して激しく疼きはじめている。
どうにかしてこの火照りを鎮めなければ、今にも我を忘れてとんでもない哀願の言葉を口走ってしまいそうだった。