屈辱の苦情処理-10
暴力的に訪れるたえまない快感の嵐。
クリトリスただ一カ所を攻められているだけなのに、肉体も精神も全てがドロドロに溶けていくような気がした。
「……あっ……イヤぁっ……イ……イくぅっ……!」
自分の意思とは無関係に下半身だけがあっという間に快感の高みに押し上げられ、驚くほどあっけなくあいりは絶頂を迎えた。
「……い…や…見ない…で……」
怪しい薬とオモチャで、もてあそばれながらアクメに達してしまった屈辱感と敗北感。
今すぐこの場から消えてしまいたかったが、両手を手錠で繋がれていては顔をかくすことすら出来ない。
「……すげぇ…エロい……もう我慢できねぇ……」
あいりの身体からバイブレーターを抜き取ると、男はやっとスーツのベルトを緩め、硬くなった自らの肉棒を取り出した。
「……見ろよ…ハァ…あんたのせいで、こんなになっちまったよ…」
極上の美人でしかも清楚なデパートガールのあられもない姿に、男のペニスはすでにぬらぬらとした先走り液をしたたらせている。
「……ああ……たまんねぇ……」
男はぐったりしているあいりの両足を持ち上げ、とろとろになっているラビアを指で掻き分けながらその先端を亀裂に押し当てた。
「……い…いや……」
「……挿れるぞっ……」
あいりの最後の抵抗の言葉も虚しく、男はそこに己の欲望を一気に奥まで挿入した。
「……あっ……いやぁっ……」
オモチャとは違うリアリティのある生暖かい感触に新たな嫌悪感がこみあげてきた。
「また望まない相手を受け入れてしまった」という激しい喪失感があいりを襲う。
しかし一度絶頂を迎えたあいりのヴァギナは、媚薬の効果も手伝って、信じがたいほど男のモノを締め付けた。
「……うっ……こんなすげぇの…始めてだ……」
男はすぐにでもイってしまいそうなのをこらえて、慎重に腰を振り始めた。
あいりの脳裏には三田村の優しい顔が浮かんでいた。
『今度もし危ない目におうたら俺の携帯鳴らしや………』
あの人懐っこい、はにかんだような笑顔―――。
『……三田村くん…助けて……』
あいりの頬を涙が流れ落ちた。
心とは裏腹に下腹部からは狂おしいような快感がせりあがってくる。
『……もっと……もっと……』
あの声があいりの思考を崩壊させていく。
あいりは男の動きに合わせて、無意識に気持ちのいい場所を探るように自ら腰をくねらせ始めていた。
「あんた……ハァ…ハァ…やっぱり…ハァ…淫乱なんだな……」
男の動きがスピードを増す。膣内に塗り込んだ媚薬が、男にも効果を現しはじめたのか、ペニスが中でグッと硬さと太さを増したようだった。
男自身も感じているであろう掻痒感のせいか、腰の動きが狂ったようにスピードを増し、バチンバチンという激しい衝突音が大きく響きわたった。
「……ああっ……ああん……だめっ……イ…イっちゃう……た…助けて……」
『……助けて……三田村くん……私を助けて……』
この男から……?
川瀬主任から……?
辰巳くんから……?
それとも私自身の中にある「闇 」から………?
「……たすけ…て……」
「生憎だけど……ハァ…ハァ…誰も…ハァ…来ないよっ……ううっ……あああっ!」
最後は捨て台詞のように叫び、男はあいりの顔に精子をぶちまけた。