明子と朱美の会話-1
(その1)
その場所は、
或る高層ビルにある高級レストランの中であり、午後のひとときである。
二人の女は、食事を終え、ゆったりとしてコーヒーを飲んでいる。
あるきっかけで知りあい、意気投合し気の合う主婦仲間である。
しかし、お互いの家を訪問することが無く
それぞれの家族は面識がない。
会うときは電話で連絡しあい、おしゃべりをする仲である。
その二人に共通している所は、お洒落で、遊び好きであり
お互いがフランクな気持ちになり、姉妹のように仲が良かった。
それに付け加えれば、プライドは高いと言うことか・・
しかし、心からお互いを信用しているか、と言えば
それは本人達しか分からない。
本当の人の心とは、そういうものかもしれない
ここに、このドラマの原点がある。
彼女達は、或る程度まで心を割って話せる友人だと信じていた。
その日までは。
・・・二人はその時までは本当にそう思っていた。
その二人の、心の様子と変化を見守ってみよう。
人とは、これ程までに複雑で不思議な心を持っている
言葉とは不思議な生き物であり、その表現で思わぬことに成りうる。
それは摩訶不思議なものである
そんな二人は、
悪戯な運命に翻弄させることになるのだろうか・・・