官能の城(5)-4
そのネックレスも男に引きちぎられ、
その欠片が床の上にころころと光りながら転げ落ちたのです。
「あっ!」
と叫んだ彼女はそのネックレスの紐で引っ張られ首に痛さを感じ、
彼女の細い首筋には血が滲み、その痕が痛々しく残っているのです。
男達はここで顔を覆っている黒い布のマスクを顔からゆっくりと外したのです。
その内の男達の中で、
一人の男の顔を見た母親のジュリアンヌは(あぁ・・)と言って驚きの声を上げたのです。
「ふふふ、驚いたようだね、奥様」
「あぁ、許して!欲しい物は何でも上げるわ、だからどうか許して、お願い・・・」
その会話を見ていたもう一人の男が言うのです。
「ジャン、お前この女を知っているのか?」
ジャンと言われマスクを取ったその長髪の男は以外にも整った顔の美男子でした。
その男はニヤニヤしながらジュリアンヌを見つめ言うのです。
「そうさ、この間の仮面舞踏会ではこの女に酷い辱を掻かされたんだよ、ブルース」
「あはは、お前らしくもないぜ、ところで女にお前がどんな辱を掻かされたのか、
それを聞せてくれ、お前のことだから、今夜は初めからその時の復讐の為に、
この女の屋敷を初めから狙っていたんだろうね」
「そうさ、ブルースその通りさ、俺はこの時を待っていたんだよ」
それを聞いた裸のジュリアンヌは、男達のぎらついた視線を感じながら豊かな胸を押さえ、
絶え絶えに言うのです。
「あぁ、それは違うわ、あの時はあんなことを、でも許して、お願い・・」
ジュリアンヌは美しい顔を涙で濡らしながら、涙声でその男にひたすら許しを請うのです。