アイカタ―――後編-6
結果発表を前に、俺たち出場者は舞台の上にずらりと並んでいた。
俺たちの隣にはキングスパイダーの二人。
神谷はさっきのいざこざをすっかり棚に上げて、しきりにシーナに話しかけている。
俺や猪田にはわざと聞こえへんように、何度もこそこそとシーナに耳打ちするニヤケ顔が本当にムカつく。
コイツこそほんまもんのホモで、ガチでシーナを「アイカタ」として狙ってるんじゃないかというふうにさえ見えて、俺はひどく苛立った。
「―――さぁ、ではいよいよ本年度の高校生漫才コンクールの優勝者の発表です!!」
司会者が大きな声でそう宣言すると、舞台が暗転して頭上のスポットライトがぐるぐる回り始めた。
ダララララララ………というお決まりのドラムロールが鳴り響き、出場者は一斉に目を閉じて頭を垂れた。
「今年度の高校生漫才コンクール、優勝者は……………!!」
ジャッカス………。
ジャッカス………。
ジャッカス………やろ?
「優勝は――――――キングスパイダーのお二人です!2連覇おめでとう!」
―――――嘘……やん。
それっきり、頭が真っ白になった。
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