『しほの秘密』-3
「ダメ…ダメ…。
心の中で切ない声を上げ続け、羞恥心に両頬を真っ赤に染めるしほ。
ついにはその瞳をギュッと瞑ってしまった」
「そんなしほを更に責め立てる卑猥に動く指」
「『あっ…』
ドキッとしたように。
困ったように。
霞のかかったような瞳を薄く開くしほ」
「そんなしほの。
お尻の合間の恥ずかしい穴。
小さな蕾を見せパンの上からクリクリと弄る指先」
「『うっ…うは…』
腰骨を襲うゾクゾクとした感触に。
思わず身震いを続けるしほ。
嫌だし。
恥ずかしい。
困った事にもなりかねない。
けれど。
そこだけなら。
そんなイケない気持ちもしほの中に芽生え初めていた。
そこだけなら…」
「しかし…」
「種村政信…。
大学を中退してフリーターを続けている今どきの若者だった」
「見た目もまさに今どきで。
浅黒くチャラく。
格好も派手な感じで。
それなりにモテそうな若者であった」
「ただこの政信。
人に言えない趣味があった。
それは…痴漢」
「そう。
しほのスカートの中に手を忍び込ませているのは。
他ならぬ政信であった」
「その政信、スッと背が高く清楚な感じのしほに目をつけ。
いつものように背後に陣取ると指を這わせ始めたのだ。
途中、どこかで見た事のある顔とは思いながらも。
思い出す事もなく。
止める事もなく指を動かし続け。
ネチネチとした指の動きでしほのお尻の割れ目を撫で上げ続ける」
「目を細め。
窓の外の流れる景色を見つめるしほ。
腰骨を襲い続けるゾクゾクした感触が背中にまで広がり始めている。
本当にこれ以上は…。
戸惑いながらも強い意思を固め。
背後から卑猥な愛撫を繰り返す手を払おうと。
自分の手を下ろしてゆくしほ」
「だがそれよりも早く」
「しほの太ももを撫でるように身体の前方へと回り込んでくる手の感触」
「『えっ!本当に…ダメ!』
その手の動きに動揺が隠せないしほ。
自分の太ももから内股へと向かう手を。
フレアスカートの中から追い払おうとするが。
動揺の為か、完全に遅れを取った形となり…」
「政信は。
フレアスカートの中から自分の手を追い出そうと藻掻くしほの手の動きを。
完全に無視する事と決めたようだ」
「払い退けようとするしほの手。
その動きに全く動じる事なく手を進ませ続ける政信」