『しほの秘密』-2
「そして、そんなすし詰め状態でゆっくりと動きだす電車。
これも事故の影響なのか。
いつもように加速してゆく事がない」
「それでも動いているだけとマシと。
乗っている人々は割りきっているようだ。
もちろん、しほも」
「ただ次の瞬間…」
「『ひぃ…』
思わず声を漏らしそうになるしほ」
「何かがスラッと伸びたしほの腿の裏側をスッと撫で上げていったのだ。
生脚に走るその感触に身を硬くするしほ。
まだ偶々、何かが当たってきただけ。
そう思っていた」
「でも、それは間違いであった。
『うっ…』
しほの剥き出しになった腿裏の素肌に粘りつくような感触。
その感触に眉をしかめるしほ」
「間違いなく。
人の手の平の生暖かい感触であった」
「さき程も言ったように満員電車に乗った機会も少なく。
このような事も初めてのしほ。
勿論こういった事がある事は知らない訳ではなかったが。
ただ自分はこんな時もきっぱり、やめて下さいと言えると思っていたしほだが。
実際のところは言葉がなかなか出てこない」
「不味いのに…。
戸惑うようなしほ。
声を出す事はおろか、手を払うなどの抵抗らしい動きすら出来ない。
まさか自分がこんなになってしまうとは。
恥ずかしさのあまり固まったように動けなくなってしまうしほ」
「そんなしほを嘲笑うような大胆な動きでしほの太腿の裏を這い上がってくるその感触」
「ダメ…。
心の中で弱々しい声を上げるしほ。
きっぱりと拒否できるなどとはただの思い上がりでしかなかった」
「そしてフレアスカートの裾の中にまで入り込む指先。
ショートパンツタイプの見せパンに包まれたお尻の膨らみにまで触れてきた」