やっぱすっきゃねん!VP-17
「そんな話よりも、これを」
そう云うと、バッグから大きめの封筒を2人の前に置いた。
「何です?これ」
永井が訝し気な眼で封筒を見た。
「野球部への寄付です」
「寄付って…?」
葛城が、封筒と一哉を交互に見つめる。
「青葉野球部OB達が、寄付として、その銀行口座に振り込んでくれることになってます」
驚きを隠せない2人。
「じゃあ、このためにここに?」
「もちろん」
一哉は、少しはにかんだ顔になった。
「まあ、わたしも、青葉野球部出身ですから」
永井も葛城も、その後は言葉にならなかった。ただ、溢れそうになるものを堪えていた。
「行きましょう。永井さん、葛城さん」
「やっぱすっきゃねん!」VP完