投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

ゼビア・ズ・ストーリーの最初へ ゼビア・ズ・ストーリー 112 ゼビア・ズ・ストーリー 114 ゼビア・ズ・ストーリーの最後へ

記憶-1

 薄い紫色に煙る部屋。

 むせかえるような甘い匂い。

 そして、聞こえるのは荒い息遣いと、微かな喘ぎ声。

「んぁ……やめ……あぁ…う……んぅ……」

 何故こんな事になってしまっているのか訳がわからない。

「や…めて下さい……兄上!!」

 そう、今自分にのしかかって躯中を舐め回しているのは、片親とはいえまぎれもない自分の兄なのだ。

 ファン国王の妾の子として産まれ、15歳まで母方の祖父の古武術道場で厳しい修行を耐えた。
 城に来たのは3年前……まずは姫として恥ずかしくないようにマナーやら、王族間の決まりごとやら、外交手腕など様々な事を叩き込まれた。

 父王は五年前に他界しており、正妻である妃は元々病弱で父王の後を追うように逝ってしまった。
 現国王は上の兄、ラインハルト。
 まだ、30歳の若き王だが、優秀な側近達に支えられながらなかなかの手腕を見せている。
 ラインハルトと双子である次兄、ギルフォードはラインハルトの片腕的存在。
 自分はその2人の近衛。

 そういう位置づけだったハズなのに、なぜ現国王である兄が自分の躯を弄っているのだろうか。

「はあうっ!やあっ!あっあうぁ」

 胸の頂点をしゃぶられて一際高い喘ぎ声があがる。

「やめ……てぇっ!兄…上っ!」

 人生初の快楽に溺れてしまいそうになる。
 抵抗したくとも躯が上手く動かず、頭の中もぐちゃぐちゃだ。
 なぜ?どうして?がぐるぐるぐるぐる……いつもは優しい兄は何も言わずもくもくと愛撫を施す。

「あっ…あっ…ああぁぁあっ!」

 目の前に火花が弾け、躯が硬直した。
 一瞬、どこかに飛ばされそうな気がして、胸にしゃぶりついている兄の金色の頭にしがみつく。

「……っは…ぁ……」

「キアルリア」

 この行為が始まってから初めて声をかけられた。
 力が抜けたままうっすらと目を開けると、兄の顔があった。
 自分と同じ緑色の目には困惑の中に喜びの感情が見える。

「胸だけでイったみたいだな」

 これがイくということなのか……話には聞いていたが、体験してみるとかなり気持ちのいい事だというのがわかる。

「は……ぁ……」

 なんでこんな事になっているのか聞きたいのに言葉が出ない。
 兄は自分の肌を撫でつつあちこちにキスを落としてくる。

「可愛いな……では、こっちも可愛がってあげよう」

 兄の手が太ももの内側をさする。

「っ!あ……や……」

 イった後は躯が敏感になるらしく、ただそれだけでゾクリと肌があわ立つ。
 兄の手は止まらずそのまま淫口へと進む。

「あぁうっ」

 新しい刺激が電流となり背中を走った。
 濡れ具合を確かめるように、水音と共に指が往復する。

「もうちょっとかな……」

 兄はそう言うと頭をそこに下ろしていく。


ゼビア・ズ・ストーリーの最初へ ゼビア・ズ・ストーリー 112 ゼビア・ズ・ストーリー 114 ゼビア・ズ・ストーリーの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前