月の光-7
うとうとしていたら、大輔くんに言われた。
「ほれ、そこに寝るな。寝るなら布団で寝ろ。この間の腰痛くしただろ!」
「大輔くんは?」
「俺はソファでいいから、化粧落としてはよ寝ろ。」
「じゃあ、一緒寝る?」
「…いいから落としてこい。俺は眠い。」
「はーい。」
洗面室に向かい、歯磨きをして化粧を落とす。
この間マスターの奥さんが持たせてくれたらしい。
ありがたい。
大輔くんの家はすっきりしてる。
あまり物がないっていうか…
収納上手っていうか…
「由梨、着替え」
ドアの向こうから声がする。
ジャージを受け取り、着替える。
洗面室を出ると、リビングの電気が消えていた。
ドアを開けても誰もいない。
そっと寝室を覗く。
「何してんだ?寝るぞ。」
「わっ!」
後ろから声にびっくりして服を落としてしまった。
心臓がドキドキ言ってる。
「び、びっくりしたじゃん!」
「わりぃ。ほら入れ、俺は今日現場に行ったからシャワー浴びてくる。寝てろ。」
落とした服を取りながら大輔くんが部屋に入る。
服をハンガーに掛けてくれて、部屋を出て行く。
何度かきた部屋。
ふかふかのお布団。
広いベット。
ついついゴロゴロしちゃう。
お布団に包まってると、うとうとしてしまう。
お酒のせいもあるのか、すぐに眠たくなった。
だから完全に寝ぼけてた。
大輔くんが部屋に入ってきたのも、知らない。
シャワーであったまった大輔くんが心地よくて、ついついくっついて寝てしまった。
これは学生の時も何度かあった。
いつも飲んだあと、ついつい話し込んでしまって、そのまま寝ちゃう。
その時も大輔くんはいつも腕枕してくれた。
何がすごいって、聡からしてもらったことはないのに、大輔くんには何度もある。
さすがに付き合ってる時はしてもらったことなかったけど。
だから、朝起きてもたいしてびっくりはしなかった。
寒くてモゾモゾと動いていたら大輔くんが目を覚ました。