月の光-6
24時。
大輔くんが時計を見ながら言った。
「そろそろ出るか。」
スタートも遅かったので、あっという間。
お会計は色々理由をつけたが、大輔くんが全部払ってしまった。
お店を出て、お辞儀をしながら言う。
「ごちそうさまでした。何から何まで至れり尽くせり、ありがとうございます。」
大輔くんが笑って歩き出す。
2人で歩く。
風が冷たくて、気持ち良い。
何となく、流れでコンビニに行っておつまみを買う。
このまま大輔くんのお家でまったり飲む予定だ。
その時、携帯にメールが入った。
聡から…
1週間ぶり…
ドキドキしながらメールを開く。
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旅行について
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おつかれ!
旅行についてだけど、チケット送った。
俺は行けないから、由梨が行きたいなら誰かと行って。
いらんかったや捨ててもらっていいから。
代金はいらん。
微妙やけど、俺からの誕生日プレゼントと思って。
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そっか…
どうしよう。
来週、誕生日なんだよね…
「由梨?大丈夫か?」
大輔くんが心配そうに見てくる。
足を止めて、そのままメールを見せる。
「聡から。来週東京に旅行の予定だったんだ。どうしようと思って。」
大輔くんが歩き出しながら言う。
「行きたいなら行けばいいじゃん。土日?なら、休みの奴もいるだろ。」
「うん。土日なんだけどね…ま、考えとく。」
ポンと大輔くんが私の頭に手をおく。
「大丈夫か?あんま考え込むなよ。」
手が温かい。
そんな気がする。
そのまま家まで歩く。
月が優しく光ってる。
大輔くんは月みたい。
優しく見守ってくれてる感じ。
大輔くんのお家につくと、買ったおつまみで2次会。
結局話しながらテレビ見て、眠たくなってしまう。