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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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異国の姫君-5

「そういう訳で、無理やり送り返したりしねぇから顔見せに来いっつっとけ」

 遠い親戚が近くに来てるらしいからついでに会っておこう、という口調で言う国王にアースは苦笑いして立ち上がる。

「明日連れてきます」

「おう、頼まぁ」

 国王の部屋から出たエンは慌ててアースに聞く。

「知ってたの?」

「いや」

「どうすんのさ?」

「さあな」

 いくらなんでも身分が違いすぎだよなぁ、とアースは歩きながら考える。

「キャラが言ってた『迷惑がかかるかもしれない』ってこの事だったんだぁ」

 そんな事言ってたのか?とアースはエンに視線をうつす。

「迷惑かけちゃえってはっぱかけたんだよねぇ」

 ああ、あの時か……納得。

「手離す気は……」

「ねぇよ」

「だよねぇ〜」

 即答したアースにエンは笑う。

「とりあえず、あいつと話してどうするか決める」

 明日、休みを取るための手続きをしてくるから待っとけ、とエンに指示したアースは騎士団の本部へ行った。


 リンの家に行く約束があったが行く気にもなれず、キャラは家の近くにある湖の畔に座っていた。
 元気がないキャラを心配した精霊達が周りに集まってくる。

 ゼビアの国王が能力見たさにエンとアビィならまだしも、精霊が見えるだけのキャラを呼ぶハズがない。
 きっとファンから連絡がいったのだろう。
 バレてなければそれでいいが……ゼビアの国王とはキアルリアとして会った事があるので、報告書を見たらキャラがキアルリアだとすぐわかる。

「さすがに引くよなぁ〜」

 もし逆の立場だったならお付き合いは遠慮したい所だ。

「別に引きゃしねぇけどな」

 独り言なのに答えが返ってきた事に驚いたキャラは、びっくりして振り返る。

「なんで……」

 家からは見えない位置をわざわざ選んで座っていたのに。

「愛の力ってか?冗談抜きでお前が居る所はなんでかわかるんだよ」

 アースは堅っ苦しい騎士団の制服の前ボタンを外しながらキャラの横に座る。


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