異国の姫君-4
「初めまして〜王様。エンと言います。こっちは火の精霊アビィです」
『キュア♪』
「おう。よく来たな!エン、アビィよろしくな!」
国王はエンとがっしり握手をして、アビィの首をポンポン叩く。
アビィも答えるように顔を国王に擦り寄せた。
「あ?1人足りねぇじゃあねぇか」
キャラが居ない、という国王にアースは言いにくそうに答える。
「え〜っと病欠っつうか……」
しどろもどろになるアースを見た国王は喉を鳴らして笑う。
「くっくっく、俺に会いたくねぇんだろうさ。こりゃ決定だな」
「?」
「詳しく話してやるよ。中に入ろうや」
顔を見合わせて不思議な表情を見せる2人を、国王は自室に招いた。
お茶やら、軽食を準備させた国王は人払いをする。
「あんな、実はファンの国から行方不明の姫がそっち行ってねぇか?って連絡があったんだよ」
ファンと聞いたアースは片眉をあげる。
「姫の名前はキアルリア。特徴はプラチナブロンドに緑色の目」
「えぇ!?」
「それって……」
「多分、おめぇらがキャラと呼んでる女。それがキアルリアだ」
隠してるでっかい秘密がある、とは聞いていたが……まさか姫だったとは……
「え〜…でも、キャラって〜言葉使いは男の子みたいだし、無茶苦茶ケンカ強いしぃ〜」
エンの言葉に国王は驚いてアースに目を向ける。
「あぁ……まぁ、お世辞にも姫だとは……つうか程遠い存在っつうか……」
「だって団長とアースの試合に割り込んで圧勝したんですよぉ?」
余計な事は言うなと、アースはエンに軽く蹴りを入れた。
「はっはっは、こりゃあ益々会いてぇな」
「もし、キャラが姫だとしたら、国王はどうするつもりですか?」
「んあ?そうだなぁ……国としちゃあ保護してファンに送り返すってとこだな」
だよなぁ、とアースは頭をかきむしる。
「だが、俺としちゃぁ姫の好きにさせとくさ。ただ、確認しておかねぇとなぁ…ま〜た、この間みてぇにさらわれたりしたら言い訳が出来ねぇ」
さらわれた原因のアースとしては何とも居心地が悪い。