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ライブチャットの若妻 酒井由紀
【若奥さん 官能小説】

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第2章 落とし穴-1

第2章 落とし穴

和夫は、由紀とのチャットを終えると、人妻専用ライブチャットのサイトからログアウトした。
そして、脱ぎ散らかした下着とショートパンツを穿きなおし、部屋を出ると、階段を駆け上がる。興奮なのか単なる運動不足なのか息が荒がり、体からは汗が噴き出し、突き出た中年腹が揺れていた。

目指す部屋の前に着いた。そこには「酒井」という表札が掲げられている。

本当にこんな偶然があるのだろうか?
ここの奥さんがあんなことをするのだろうか?
やはり人違いではないか?
仮に本当だとしても、思い通りにうまくいくだろうか?

玄関先で息を整えながら、和夫は一瞬、そんな不安を感じた。

しかし、チャットの画面を思い出すと、溜まりに溜まった欲望が和夫の薄汚い期待と清楚な若妻に対する劣情を膨らませ、そんな不安を打ち消してしまった。

インターホンのボタンを押す。
ピンポーン……
ドアの向こうでインターホンが鳴っているのが聞こえた。

ガチャ……

直ぐにドアが開いた。中から、花柄のワンピースを着た女が顔を覗かせてくる。さっきのチャット相手が着ていたのと同じデザインだった。

間違いない。
この家の人妻、酒井由紀だ……
和夫が密かに憧れていた目の前の若妻がさっきまでライブチャットで痴態を晒していたのだ。

「なにか?」
あの特徴ある小さくつぼめた口から声が零れた。
その口元と声がチャットでのそれとピタリと重なり合い、和夫は、由紀がさっきのチャットの相手であることをさらに強く確信した。

「こんにちは。105号室の石田です」
「はい、こんにちは……」
貞淑さと清楚さを絵に描いたような由紀の顔に小さな警戒心が浮かんでいる。

由紀の肩にバックが掛かっているのが目に入った。
「こんにちは。奥さん、お出かけですか?」
「はい・・・あの・・・何か?」
由紀は、相変らず警戒心と不審感が入り混じった表情を和夫に向けている。
それも当然だ。今まで、マンションの玄関先ですれ違った時や管理組合の会合で顔を合わせた時に挨拶をする程度で、まともに会話などしたことないのに、いきなり部屋を訪れてきたのだから。

「実は、奥さんにこれを見てもらいたいと思いましてね」
和夫は手にしていた携帯を操作すると、画面を由紀の目の前に差し出した。



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