消えた光とかすかな光-8
「おじさん達は里見くんに感動したよ!実は彼が一番に謝ってくれてね。彼も全然悪くないのに。で、由梨ちゃんあんたにもだ。悪いが、さっき話は少し聞いた。だから、今日はマスターも奥さんもおじさん達も由梨ちゃんの為に飲もうと思う!由梨ちゃん、好きなものを飲みなさい!マスターにも了解済みだ!もう里見くんは飲んでるから、ココアであったまったら由梨ちゃんも飲もう!」
おじさん達がチョコやナッツを手渡ししてくれる。
みんな良い人で、涙が出てくる。
「またお前はー。」
そう言って大輔くんは私に上着をかけてくれる。
「そんなに泣いたら明日ブスになるぞ。ほれ、飲め。お前の好きなジントニックだ。」
「よし!飲むぞー!」
おじさん達が張り切って乾杯した。
その後、大輔くんと、マスターと、奥さんと、ウエイターさんと、おじさん達と延々飲んで…
気づいた今、この見知らぬ部屋。
おじさん達と飲んで、大輔くんに愚痴って、わんわん泣いて。
途中から記憶がない…
頭痛い。
あ、2日酔いか。
「気分悪いんじゃねーの??まだ10時だ。ここにてまた5時間くらいしか経ってねーぞ。」
大輔くんの言葉に目が点になる。
ってことは5時まで飲んでたの??
「大輔くん、聞いていいかな??」
「おう。まず横になるか??気分わるいだろ??ゆっくり聞いてやるから。」
「いや、でも腰痛くて…」
「はぁー。」
大輔くんがため息をつく。
そしてすかさず突っ込む。
「いや、酔っ払ってたからさ。かなり。仕方ないとは思うけど。言っておくけど俺はここに寝るの止めたぜ。最初はベット勧めて嫌だといい、せめてソファにしろっていうのに嫌だと言い張り、床に寝ると言い張り、寝たものの、寒い寒い言うし。体痛くなるぞって止めても聞かずに寝たのはお前だぜ??」
…全然知らない。
何か全てを聞くのが怖いんですけど…。
「大輔くん…ごめんね。私全然覚えてない。」
「当たり前だ。気にするな。じゃあ移動するか。」
大輔くんはそう言うと、すっと私を持ち上げる。
所謂お姫様抱っこ。
「ちょっと、大輔くんっ!」
大輔くんは私の制止を無視して話し出す。