消えた光とかすかな光-17
「大輔くんはいいよ、モテるから。」
「いや、そうじゃなくて。俺の後ろに乗った回数も、俺の助手席に乗った回数もお前が1番だぜ?」
………。
「それは違うでしょ??」
「何で?」
「何でって…好きな人の一番だよ。」
私が言うと、大輔くんがチャリを止めた。
「なるほど。」
ー???
大輔くんは何か考えているのか動かない。
「大輔くん?」
「わかった。じゃあさ、お試し1番にしてみるか??」
「はぁ?」
大輔くんの発言の意味がわからない。
大輔くんは1人、納得したのか自転車をこぎ出す。
「ちょっと?!大輔くん?!」
私の言葉は全く届いてない。
スピードが上がる。
「俺さ、さっきも言ったけど、由梨が立ち直るまで俺が支える。それまで、お前の中の1番を俺にしてくれればいい。」
大輔くんには本当に迷惑かけっぱなし。
本当にありがたい。
頼りっ放しで申し訳なくなる。
「だからさ、1人で居たくないなら連絡くれ。迷惑なんて思ってねーよ。どうせ駅で2駅だ。男は頼られたい生き物なんだよ。」
涙がまた出てきそう。
そんなこと言われたら帰りたくなくなる。
1人で家に居たら泣きそうだもん…。
「うん、ありがとう。」
涙を堪えて、小さく答えると、大輔くんが言った。
「泣いて鼻水つけんなよ。」