消えた光とかすかな光-16
「お前のこと聞いたのに何で疑問系なんだよ。」
「あ、ごめん。とりあえず帰る。大輔くんもゆっくりできないでしょ??」
「大丈夫か??帰るなら送るぜ。」
ふと、学生時代を思い出す。
いつも皆で遊ぶ時、大輔くんの後ろにのせてもらった。
懐かしい。
「じゃあさ、大輔くん、大学の時みたいに後ろに乗りたい。駅まででいい。自転車あるの??」
大輔くんは驚いた顔をして言った。
「車で送るって言うのにチャリがいいとは…お前ホントにうけるよなぁ。いいぜ。チャリで送ってやるよ。」
そのまま大輔くんの家に戻り、荷物を確認する。
大輔くんは先に駐輪場に行った。
預かった鍵を持ち、家を出る。
大輔くんはもう入り口の前で待っていた。
「ほれ、後ろに乗れよ。」
大輔くんは私から荷物を取り、後ろを指差す。
私はそのまま後ろに乗る。
「いくぞ、気をつけろよ。俺も5・6年ぶりだからな。こけても怒んなよ!」
そう言うと、スムーズに走り出す。
久しぶりの二人乗り。
風は少し冷たいけど、天気も良くて気持ちいい。
お休みの日に、のんびり2人乗りもいいかもしれない。
「チャリ、いいよね…のんびり。私も持ってないから久しぶりだよ。大輔くん、大丈夫?ありがとうね。」
「おう。意外とにぶってないしな。俺も乗るのは久しぶりだよ。」
「やっぱりほぼ車?便利だもんね。」
「おう。しかも、2人乗りなんて学生ん時にお前乗せたのが最後だよ。」
大輔くんが笑う。
「彼女とは車ばかり??」
「いや、最近ずっと彼女いないしな。最後の彼女はそんなに出かけてなかったもんなぁ。他の男と出かけてたくらいだしな。」
あ…
大輔くんもだった。
あの時も大輔くんと飲み明かしたんだっけ。
「私たち一緒だね。本当に恋愛って難しい。1番って難しいんだね。」
ついため息も出てしまう。
「意外と1番って簡単だぜ?」
大輔くんが言う。