消えた光とかすかな光-15
そのまま私は大輔くんのマンションに向かう。
涙が止まらない。
足取りが重い…
前に進めない…
下の入り口で立ち止まってしまう。
まだ、インターホンを押す勇気がない。
中から音がして、顔をあげると、エレベーターから大輔くんが降りて来たとこだった。
オートロックのドア越しに目が合う。
思わず逃げ出してしまう。
しかし、すぐに腕をつかまれる。
そのまま私は大輔に引っ張られ、エレベーターに乗せられる。
怖くて顔を上げれない。
そのままお家にあげられる。
大輔君が靴を脱いで、玄関に上がると、その手が振り上がった。
ー怒られるっ!
そう思ったのに、その手は私の頭をポンポンと2回、撫でてくれた。
「頑張ったみたいじゃん。お疲れさん。」
そう言って大輔くんは笑ってくれた。
その笑顔にホッとしてしまい、我慢していた涙がまた溢れ出して来た。
「…っ!大輔くんっ…。」
そのまま私はわんわん泣いてしまった。
「大輔くん、ありがとうね。」
温かいお茶を飲み、落ち着いた私は、目の前に座っている大輔くんにお礼を言う。
大輔くんはただ無言でそばにいてくれた。
相変わらず聞いたことには正直に話してくれた。
タイミングよく下に降りて来たのは聡から電話があったから。らしい。
最後の最後まで聡は私をお見通しだった。
「おう、約束だからな。腹減ったろ??飯でもいくか??」
そういえばずっと何も食べてなかった。
「由梨、うどん好きだろ??二日酔いだし、行こうぜ。」
大輔くんが立ち、出掛ける準備を始める。
私も一緒に準備をする。
家をでて一緒に歩く。
歩幅も合わせてくれる。
あったかいおうどんを食べると、心も落ち着いた。
帰り道、大輔くんが聞いてきた。
「由梨、これからどうするんだ?」
「どうするって…どうしよう…??」
私の返事に大輔くんが笑う。