消えた光とかすかな光-13
ーいた。
いつもの車の前で、聡が待っていた。
聡も私に気がつく。
つい足を止めてしまう。
すると、聡が歩いてこちらに向かって来る。
「由梨、ホントにごめんっ。」
立ち止まるとすぐに謝られた。
「ずっと言えなくて、あんな形になってしまって…由梨が大切で…離したくなかったんだ…」
聡の目にも涙が滲む。
「うん…私も大好きだった。だから、その分…彼女のこと大切にしてあげて…」
涙が出てきた。
「うん。ホントごめん…ホントに…」
沈黙が続く…
上手くできなくて…
やっぱり戻るのはもう無理だと思った。
「一つだけ聞いていい??」
意を決して聞く。
「うん、何??」
「あの人とはいつからなの??」
「今年の5月…仕事場で。4月から忙しくてさ。でも由梨も忙しいの知ってたから…ちょうどその頃、あいつが担当になってさ。最初は普通に皆でご飯とかだったんだけど…その内2人で会うようになってさ…。由梨は危なっかしいとこもあるけど、基本しっかりしてるし、落ち着いて一緒に居れたんだ。でも、あいつ思い込むと突っ走るから、由梨のこと言ってなかったから…あんなことになって。訳のわかんない奴だけど、俺の中では、ほっとけないんだ。俺が、由梨に甘えすぎたんだ。」
…何か、空回りかな。
忙しいのわかってて、私も連絡取らなかったの。
お互いわかってて今までやってこれたと思ってた。
違ったんだ…
可愛げなさすぎたかな…
「そっか…ごめん。」
「いや、由梨が謝ることは一つもないよ。」
………
会話が続かない…
もう、さよならしよう。
「今日、電話出なくてごめん。これからも仕事、体調気をつけて…」
「由梨っ!」
聡が遮る。
「俺、お前のことホント好きだ。今でもそれは変わらない。ただ、許されないことしたからさ…俺とはもう無理なのか?」
聡の言葉が胸をえぐる。
涙が止まらない。