消えた光とかすかな光-12
「聡から。どうする??」
大輔くんが見てくる。
どうするって…
怖い…
会うのが怖い。
でも、大輔くんの言うとおり、話さなきゃ何も変わらないのかな。
でも、絶対に負けてしまいそう。
不安にも。
聡にも。
大輔くんの目を見る。
大輔くんは優しく笑うと言った。
「そんな顔すんなよ。気持ちは前を向いてんだ。お前なら大丈夫。俺が待っててやる。1発くらい殴ってやれ。」
大輔くんに言われると、何故か大丈夫な気がする。
今なら、聡とも話せる気がする。
「うん。わかった。大輔くん、また泣くけど怒らないでね。」
大輔くんは、ニヤリと笑うと電話を取る。
ドキドキする。
ただ、話してる大輔くんを見るしかできない。
大輔くんが携帯を置く。
「下の駐車場のとこにいるって。話がしたい。けど、会ってでも電話でもいい。ただ、由梨と話がしたいって。」
うん。
もう覚悟はできてる。
「わかった。会うよ。」
「じゃあ、風呂場に行って着替えて行ってこい。もう乾いてる。俺はここに居る。これはお前らの問題だからな。お前が泣き上戸のお子ちゃまでも、ここは一人でも大丈夫だろ?」
大輔くんはわざと茶化すように言ってくれる。
「うん、大丈夫。また戻ってきて泣いたら慰めてくれるんでしょ??」
「任せとけ!俺の大きな心で慰めてやる!あ、あいつのとこに戻るならそれでもいいぞ。」
「ふん!頑張っていい女になってやるんだもん!」
「そんだけ言えるなら大丈夫だろ!ほら、行ってこい。」
大輔くんに言われ、着替えに行く。
昨日の服を着ると、少し緊張する。
玄関にむかい、靴を履いていると、後ろから大輔くんが来た。
「無理すんな。聡が好きで、戻りたいなら戻ればいい。あいつはまだ、お前のことも好きだろう。お前はいい女なんだから。さよならするなら、泣きに帰ってこい。また慰めてやる。」
そう言って、大きな手で頭を撫でてくれた。
「ありがとう、いってくる。」
エレベーターに乗る。
1階に降り、駐車場に向かう。
さっき撫でてもらった頭に手をのせ、深呼吸をする。