消えた光とかすかな光-10
「うん。あのさ、さっき気になること聞いていいって言ったよね??一つ気になることがあって…」
「おう、何だ??」
「…何で聡が付き合ってること、花火大会とかお盆とか一緒にいたの知ってたの??」
ふー。と大輔くんが息を吐くと、私の目を見る。
「お前が"花火大会の日、聡と行けない"って言ってたのは聞いてたからさ、まさかきてると思わなかったんだ。俺は職場の連中と皆で飲んでたんだけど。そしたら、前通ったんだよ。聡が。何だ、結局来たんかって思ったんだ。で、話しかけようと思ったら、あの女と腕組んで歩いてた。盆は勘。ずっと一緒にいたのにって自信満々の顔してたから。」
言い終わると大輔くんは目を伏せる。
…やっぱりそんなことか。
私の何がいけなかったのかはわかんない。
けど、彼女に私のないものがあって、そこが大きかったんだと思う。
でも、隠さず言ってくれた。
ぶっきらぼうで、怖いときあるけど、
嘘つく人じゃないし、不器用だけど優しい。
本当に昨日から助けられてる。
「大輔くん、ありがとう。」
私が言うと、驚いた顔をした。
〜♪〜♪〜
私の携帯が鳴る。
多分聡だ。
怖くて、手を伸ばすことができない。
「いいのか??」
大輔くんが聞く。
テーブルの上で鳴っている携帯が止まる。
頷いて携帯に手を伸ばす。
「さすがに、あんまり会いたくない。聡は昨日、私を目の前にして、あの娘を選んだんだ。あの娘を諦めて、私を追って来ることも、私に必死になることもなく。だから…今更無理だよ。」
「じゃあ、もう、あいつは諦めるのか??」
大輔くんに聞かれる。
ストレートに聞いて来る。
だから私もそのままの気持ちを言う。
「諦めるっていうか、もういいの。まだ、やっぱり思い出してしまうとは思うけど、次を見なきゃ前には進めない。気持ちの整理の為にも、聡と話した方がいいんだけど、さすがに昨日の今日は重すぎる。」
「じゃあ、あいつと別れて、前を見るつもりなんだな。あいつと話して切り替えできるまで、他に好きなやつができるまで、俺が支えてやる。」
大輔くんの言葉に固まってしまう。