秋桜の季節-2
「どうしたんすか??楽しそうじゃないですか!」
浜村さんは目を輝かせながら会話に入ってくる。
「明日のことだよ。浜村くんは別件もあるし今からみっちり説明しようかね!高梨さん、書類終わったらあがってね!」
「おつかれ!」
倉山さんと浜村さんはそう言って打ち合わせを始めた。
私もデスクに戻って黙々と仕事をする。
30分程度で終わり、書類整理とゴミ捨てと軽い掃除をする。
終わったことを2人に告げ更衣室に向かう。
携帯をチェックすると、友人からのメールと母親からの着信。
19時。
着替えて裏口から外に出ると、丁度局長が帰ってきた所だった。
「お疲れ様です!今日は直帰じゃなかったんですか??」
「ちょっと忘れ物をね。高梨さん気をつけて帰ってね、お疲れさん。」
「お先に失礼します!お疲れ様です!」
そう言って私は地下鉄に向かう。
雨は止んでいる。
地下鉄から徒歩3分の所にある郵便局、それが私の職場。
小さな郵便局で、局長、倉山さん、浜村さん、私と、非常勤の大崎さんの5人。
働いて4年。
和気あいあいとした職場です。
「高梨さん??」
地下鉄の階段を降りていたら後ろから声がした。
「石田さん!」
一気に体温が上昇する。
石田さん。石田創樹さん。
私が3年前からずっとずーっと憧れてる人。
「今、お帰りですか??」
石田さんが隣に並んで話しかけてくれた。
私は見上げながら、その声をドキドキしながら聞く。
石田さんは背が高い。166センチの私が見上げるほど。
「はい!石田さんもですか??今日は地下鉄ですか??」
石田さんは私の職場の近くの会社にお勤めの方。
私より5歳年上のお兄さん。
週に一回、金曜日に天気が良かったら窓口に来る人。
前にいつもは車で通勤で、滅多に電車は使わないって言ってた。