金色の双眸-7
「何かあった?」
アースの頭を撫でながらキャラは優しい声音で聞く。
「あ〜…騎士団に復帰する事になった」
「うん」
「……ってか俺が騎士団だったって話たっけか?」
「学長に聞いた。辞めた経緯とかも」
「そうか」
アースはそれきり黙ったままだ。
キャラも何も言わずに頭を撫で続ける。
「何も言わねぇのか?」
「……嫌?」
騎士団に戻るのが、と聞くキャラにアースは顔を埋めたまま答える。
「騎士団に戻るのは嫌じゃねぇけどな……お前と離れるのが嫌なんだよ」
騎士団に戻ると基本的に国中を駆け回る事になる。
会えるのは良くて月2回ぐらいになるだろうし、今回の任務はスネーク殲滅なので解決するまで会えないだろう。
「……そっか、ちょっと寂しくなるな」
「ちょっとか?」
拗ねるアースの顔を両手で挟んで上げさせたキャラは、目を見つめて微笑む。
「あんた、今の仕事より騎士団の仕事のが好きだろ?」
キャラの問いかけにアースは無言で肯定する。
「見てたらわかる」
「……トラウマなんだと思うけどな……ガキん時、俺が居ない間に町が野党に襲われてな…母さん……本物のな、それと町の人達が殺された」
それ以来、『守る』という事に敏感になった、と話す。
アースが過去を語るのは初めての事だった。
「親父に言われたよ。『守りたいもののために強くなれ』って……騎士団は国を守るための組織だからな、強くもなれるし色々と守れる」
アースにとってはとても都合のいい組織なのだ。
「でもなぁ、今1番守りたいのはお前だからなぁ」
だから離れたくない、とぐりぐりと頭を押し付けてくるアースにキャラは吹き出した。
「笑うトコかよ……?」
真剣に話しているのに、とアースはムッとする。
「だって……魔法抜きならオレあんたに負けねーもん」
夕方、キャラにボロ負けした事を思い出したアースは苦笑いした。
「そうでした」
「大丈夫だよ。逆にオレがあんたを守ってやるよ」
「頼もしいなぁ……やっぱお前は最高の女だ」
アースは腕を伸ばしキャラの後頭部に手を添えて引き寄せる。
キャラはのし掛かるようにしてアースに跨り、唇を重ねた。
キャラは肩に置いた手をさわさわと動かし、首筋から鎖骨へと滑らせる。