金色の双眸-25
「……アビィとエンを突っ込ませて天井を破った……」
見た感じ、どう見ても岩山だったし、魔力は温存しておきたかったので、勢いにまかせて「突っ込め」と言ったら、単純な2人は本当に突っ込んだ。
突っ込む寸前にアビィから飛び降りたアースは、壊れた天井から悠々と入ってきたというわけだ。
多分、どっかに転がっている。
「……非道いな……」
「うっせぇ」
無愛想に答えるアースに笑っていたキャラの体が突然跳ねた。
「!あ!くっ……まだ……抜けてないのかよっ……」
襲い来る絶頂の波に震えるキャラの背中を、今度はアースが優しくさする。
「いいぜ、イけよ。」
「あっ……んぅ……や…ぁああぁぁぁああっ」
体を仰け反らせて上り詰めるキャラの首にキスを落としながら、アースはしっかりと抱きしめる。
薬による絶頂なのは同じだが、愛しい男の腕の中だと格段に気持ちいい。
「……っは…ふ……」
波が落ち着くとキャラはアースの胸にすり寄って甘える。
「大丈夫か?」
「んあ〜…なんかもう……中が筋肉痛なんだけど……」
ぶっ
「笑うな」
「いや……わりぃ……」
思わず吹き出したアースにキャラは不機嫌になる。
中も筋肉痛になるのか……なんだか変な事を知ってしまった。
「こっのっ!大馬鹿者がぁ!!」
病院の待合室にスオウの怒号が響き渡った。
周りにいた看護師や患者は背筋を正し、怒鳴られている本人のアースは、うるさいなぁ、と言わんばかりに小指で耳をほじる。
あの後、スオウ達と合流し、スネークのメンバーを捕らえ、集められていた女性達を救助したのだが……怒りの収まりきって無かったアースは、アジトを山ごと吹っ飛ばした。
「首謀者は捕まえたじゃねぇスか」
「やり過ぎだと言っておるのだ!半死半生とはどういう事だ!」
「生きてるだけマシですよね?」
半殺しにしたのはキャラだが、あえて黙っておく。
怒鳴るスオウにうんざりしたベルリアがアースをたしなめる。
「隣国セブに連絡がしっかりいってない内にあの騒ぎだ。
国王がすぐ対応してくれたから良かったが……一歩間違えば戦争が起きていたんだぞ?」
それでもアースは知らん顔をしたままだ。