金色の双眸-24
「ぎああぁぁっ!!」
絶叫する男の脇腹をグリグリとえぐる。
「やめてくれぇっ!」
「やめねぇよっ!」
懇願する男の側頭部を蹴り上げると、男は呆気なく卒倒した。
「ケッ」
キャラは男にロングソードを刺したまま手を離した。
「もういいのか?」
「どうでもいい」
アースはキャラの手を取ると、引き寄せて抱き締める。
「わりぃ……遅くなった……」
「大した事ねぇって」
謝るアースに強気で答えるが、手を口に当ててかなりつらそうだ。
「ゴメ……この匂い…どうにかしてくれ……」
先程、風を使って吹き飛ばしてくれたおかげで、香の効力が薄れたので動けたのだ。
しかし、香自体がまだ消えてないので、また匂いが戻ってきた。
そいつのせいか、とアースは香を探しだし、魔力を使って消し炭になるまで燃やした。
「他には?」
何をされたか聞くアースに、呼吸が楽になったキャラは答える。
「あ〜…蛇野郎に魔力吸われて、クソ野郎に薬打たれた」
「薬?」
「快楽無しの絶頂。も、最悪……」
しかも犯された。
アースは悲痛な顔をして更にキツくキャラを抱く。
「……でも……生きてて……良かった……」
取り返しのつかない事になってたらどうしようかと思った……と、細かく震えるアースにキャラは、腕をあげて抱き締め返し、胸に擦りよった。
「大丈夫だよ」
アースの背中に手を回し優しくさすると、少しずつ震えが収まり、目の色が金から黒になる。
「あぁ……」
少し体を離したアースは改めてキャラを眺めると、微笑んで軽くキスした。
「綺麗だな」
ドレス姿のキャラは初めて見た。
ボッと赤くなったキャラは慌てて話をそらす。
「あ、えっと……エンさんは?」
天井から来たって事はアビィに乗って来たんだろう?と問いかけるキャラから、決まり悪そうに目をそらしつつアースは話す。