金色の双眸-14
「おなごを守るのと束縛するのとは違うからな」
そこら辺をわかっていれば心配はない、とスオウは腕組みして頷きながら言う。
自分から相談を持ちかけておいて何だが、あまり優しくされると気持ち悪い。
「肝に銘じておく」
アースは心の中で2人に感謝しつつ、背筋を伸ばした。
「!」
『!』
その時、アースとアビィが同時に動き、テントの外へ飛び出した。
「アビィ!追え!」
『キュオ!』
アースの命令に反射的に返事をしたアビィは森の中へ飛び込んだ。
「どうしたのさ?!」
慌ててテントから出てきたエンとスオウはアースに目を向ける。
「何か居た……エン、アビィを追うぞ。団長、こっちは任せます」
「おお」
アースとエンはアビィに続いて森に入った。
エンは最近出来るようになった技を試す事にする。
アビィと意識を繋いで、感覚を共有。
「見えた!こっち!」
アースは魔法で風を操り体を浮かすと、エンを抱えてスピードをあげる。
バチィ
「ぐっ!?」
「いっ!」
瞬間、エンの体から電流が流れてきてコントロールを失った2人は茂みに突っ込んだ。
「っつぅ……何の真似だ?」
頭を振って体を起こしながらアースはエンに文句を言う。
「ぼ……僕じゃないよ…アビィがやられた……」
感覚を共有しているとこっちにまで衝撃が来るようだ。
アースは舌打ちするとエンに方向を聞いて1人でアビィの元へ急ぐ。
「アビィ!」
『キュゥゥ』
転がっているアビィを見つけたアースは慌てて駆け寄った。
アビィの体は所々焦げており、煙が上がっているが命に別状は無いようなのでとりあえず安心。
アースはアビィとエンを抱えて騎士団の所へ戻る。