〈晩秋〉-17
『フヘヘ……もうイイよね、友紀先生…?』
「!!!」
もはや一刻の猶予も無い……頭の中で鳴りつづけていた非常事態を告げる警報は、最大音量まで引き上げられた……筋肉の僅かな余力、その全てが集結し、拘束台からの逃走に全力が注がれた。
「い…嫌だぁッ!!ベルト…ベルト外せぇ!!やめろぉぉ!!!」
手も足も、筋肉の硬直が見られただけで、ベルトからは外れない……抜け出そうと身体を捩っても、やはり状態はそのまま……何一つ叶わない、何一つ変わらない……唯一自由の利く頭部を振り乱して喚き散らしても、その飛び散る涙では男達は退きはしない……。
『今から先生のオマ〇コにチ〇ポが入っていくよ?』
「嫌ッ!!お願いやめて!!やだぁぁ!!!」
『ちゃんと見ててよ。ほらほらぁ』
二人掛かりで頭部は押さえられ、髪や顔面を掴まれたまま。
せめて視界だけでも閉ざそうと試みるが、瞼までも男達に押さえ付けられ、眼球を剥かれてしまった。
「お…お願いやめて……お願いします……」
もうプライドなど吹き飛んでいた……。
汗で萎れた陰毛の向こう側。微妙に膨らんだ恥丘に向かって男根が近付いてきた……ギリギリと音を鳴らして反り返り、その膨れたどす黒い尖端からは、興奮のあまり涎のような汚らしい汁を垂らしていた……ビクビクと脈打つ異形の怪物は、遂に友紀の股間に触れ、別個の淫らな唇と化した友紀の淫肉の割れ目に、いよいよ頭部を入れ始めた。
「もうやめて……ね?私、誰にも言わないから……もうやめて下さい……」
恥も外聞も無く、友紀は男達に哀願を繰り返した……自分の無力さを痛感し、今から始まるであろう行為を止めさせるには、心からの哀願や懇願しかない……汗と涙で濡れ、恐怖に引き攣った顔は、笑顔に見えるような歪みに覆われていた……。
『イヒヒヒ……そりゃ!!』
「あぐうぅ!?……い…嫌あぁぁぁッ!!!」
人の心など持たぬ男達に、心からの哀願など通用するはずがない。
溢れ出る牝汁の滑りに任せて、男は怒張した肉棒を一気に突き刺し、友紀の身体と一体になった。
「やあぁぁぁッ!!やだぁぁぁ!!!」
牝には、優秀な遺伝子を選んで取り込む権利がある。
友紀のこれまでの男女関係は、優秀な遺伝子を選定する意味合いもこめられていた。
それは意識する・しないに関わらず、種の繁栄の為の本能であった。
容姿・性格・財力・社会的地位。
人間社会での優秀な男性を選び、自分の持てる才能を使用して男女関係を築く……今までの友紀の行いは、決して悪ではなく、当然の権利を行使したまで。
しかし、優秀な遺伝子を選べる魅力的な《牝》には、また数多の《牡》が群がるのも事実である。
卑劣にもこの牡達は、牝の感情など無視し、己の欲望を満たす為だけに徒党を組み、腕力を用い、逃げられぬように監禁して性交に及んだ。
牝の肉体のみを欲し、それ以外を無用として切り捨てる蛮行。
野生の獣でさえ、牡は牝に選ばれるのを待ち、その為に己を磨く。
全く、獣にも劣る鬼畜の所業である。