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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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焔の精霊-9

「あ、あの人。長い金髪の女の人。風の精霊……だと思います」

 向かいの右側の席に座っていた女性を指差す。
 ベルリアはそちらを見ると女性を確認して頷いた。

「…ああ、ランか。確かにあの子は『風』系が得意だね。どんな精霊だい?」

「鳥ですね。鷺っぽい感じの」

 それを肩に乗せている。

「へぇ……」

 その時、会場がざわついたので2人は試合に目を戻す。
 なんとエンが放った炎がパキパキと音をたてて凍りついていっているのだ。

「うっそぉ〜」

 エンもさすがに焦り、ジリジリと後ずさる。

「攻撃はしてねぇぞぉ」

 ふっふっふ、と不敵な笑いを顔に浮かべ、勝利を確信するアース。

「あ」

 しかし、キャラの目にはしっかりと見えていた。
 エンの精霊がガパッと口を開けたのが……瞬間、精霊の口から炎がほとばしり、エンの炎を後押しする。

「えぇっ?!」

「なにぃ!?」

 これにはエンも驚き、特にアースは勝利を確信していたので油断した。
 慌てて発動している魔法を強化し、その場から逃げる。

「あっちっ!」

 アースの結界を破った炎は大爆発を起こし、逃げたアースの腕をかすめた。

「そこまで!」

 ベルリアの声に会場が静まり返り……
 すぐに歓声が響き渡る。

「すっげー!アース導師に勝ったよ!」

「しかし、さすがに魔導師だ!炎を凍らすなんて見たことない!」

 会場はまさにお祭り騒ぎになり、観客は2人を褒め称えた。


「くっそぉ〜」

「初めてアースに勝った〜」

 腕に軽く負傷したアースは医務室で治療を受けながら物凄く悔しがり、 ついてきたエンはご機嫌だ。

「ハンデがあったから勝てたんだよ!」

「わかってるよ〜だ」

 エンはべーと舌を出し、精霊も同じように舌を出す。

「なかなか好い試合だったし、収穫もあったよ」

 ベルリアは2人に試合中、キャラが見ていた事を話し、他にも精霊を連れている人物が居た事を教える。


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